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レノックスのモデルとは誰か -ギリシャ神話と魔法使い編-

はじめに

 この記事は、(株)colyより開発・配信されているスマートフォン向けアプリゲーム「魔法使いの約束」通称まほやく内の、キャラクター達のモデル・モチーフ・キャラ考察について自分なりにまとめたものです。
 本文にはネタバレや、考察上省けない宗教関連への言及も含まれるため、不安な方はここでページを閉じることを推奨します。
 なお筆者は、ストーリー・雑誌等を網羅しておらず、また情報精査においても素人です。なにか間違いやご指摘があれば、気軽にコメントへ。
 また、他の意見を持たれている方への批判の意図は全くなく、寧ろ考えの至らない浅慮な賢者にどうかそのお知恵を授かりたい。→Wavebox
 以上、読んで頂く際には、どうかご留意を。

2024.5.16 初稿



レノックスについて

 本項では、レノックスの経歴をおさらい。メインストと親愛スト等々で語られている内容なので、既知の方は飛ばしてくれて構わない。

レノックス・ラムさん 400歳男性

 寡黙な羊飼いの青年。 一見近寄りがたい雰囲気だが、とても誠実で、フィガロや他の南の魔法使いたちからの信頼も厚い。魔法を使うよりも、素手で戦うほうが得意らしい。

 レノックスは、本編内にて「寡黙な羊飼いの青年」として登場するが、歴戦の戦士であることが語られます。また、東の国の魔法使いであるファウストに「建国の英雄、ファウスト様」と呼びかけ、探していたと言う。ファウストは人違いだと否定するが…?
 といったあらすじ。詳しくは、メインと親愛ストをぜひ。

 レノックスは中央の国、南の国境に程近い炭鉱の村で育ちました。炭鉱の仲間を魔法で密かに助け、支配者には魔法使いであることを隠していましたが、過酷な環境での酷使によりばたばたと人が死んでいったといいます。
 そんな時「人と魔法使いが手を組んで支配者を倒し、仲間集めをしている者達がいる」という噂をきっかけに、自分たちも立ち上がろうと暴動が起きます。大きな犠牲を出しながらも、希望に燃え抵抗を続けた炭鉱夫達は、自由の身になりました。
 そして、生き残った仲間と一緒に、アレク・グランヴェルが率いる軍に合流。魔法使い達を率いていたファウスト付きの従者になります。

 ですが、勝利を目前としたところで、魔法使い達は追放され、アレクは中央の国を建国。捕らえられていたファウストを助け出そうと、レノックスは牢獄の鍵を持ち出しますが、親友であったアレクを信じていたファウストは「逃げれば尚更、信用を失う」と拒否し、レノックスも引き下がります。
 しかし、アレクは処刑を止めず、レノックスは火刑に処されたファウストを助け出し治療しますが、ファウストは姿を消してしまいます。

 主人であるファウストを探すため、約400年もの間レノックスは国々を巡る旅をします。ですがある時、かつての軍で知り合ったフィガロに、羊飼いの仕事を打診され、南の国に定住することになりました。
 その後、賢者の魔法使いとして選ばれたレノックスは、魔法舎にて同じく賢者の魔法使いとして選ばれていたファウストと再会することになったのでした。

 以上が、ゲーム内メインストーリー1部までの生い立ちを、ざっとさらった内容です。

 ファウストの考察に関しては、こちら。

 以下、前半にてギリシャ神話から見るレノックス。
 後半にて、モチーフ小説から見るレノックスです。



ヘラクレスとの共通点

アテナとの関係

 ファウストのモチーフの1つに、ギリシャ神話の神、アテナがあります。(詳しくは「ギリシャ神話の神を継いだ魔法使いたち」にて。)
 このアテナと浅からぬ関係があるのが、半神半人の英雄ヘラクレスです。

 ヘラクレスは、最高神ゼウスと人間アルクメーネの子。正妻ヘラの復讐を恐れたアルクメーネは、赤ん坊のヘラクレスを城外の野原に捨てた。しかし、ゼウスはアテナに赤ん坊を拾うよう命じ、アテナは赤ん坊をヘラの元へ連れて行きます。
 ヘラクレスを認識していなかったヘラは、捨てられた赤子に同情し、母乳を与えます。神の乳によって、ヘラクレスは超自然的な力を獲得しました。

 まほやく正史では、レノックスの方が年上です。ですが、月花妖異譚にてわざわざ「ファウストに育てられたレノックスの話」が語られます。これは、ヘラクレス生誕の逸話に基づいたものだったんですね。

 また、他にもギリシャ神話では、アテナが英雄ヘラクレスを助ける姿が頻繁に描かれています。
 ゼウス神殿に飾られていた、ヘラクレスの歴史を描いた12作のメトープ(大理石板に彫刻された浮き彫り額)のうち 4つにアテナは登場しており、積極的に手伝っていることが示されています。
 その中で、アテナは厳しい同盟者として描かれているのと同時に、ヘラクレスの功績を穏やかに認める者でもあります。

 いかにも主従のふたりを感じる関係性ですね。


魔道具のメイス

 アテナによって一命を取り留めたヘラクレスは、人間離れした怪力を持っていました。古代ギリシャにおけるトレーニング施設やレスリング学校、つまり軍事訓練の守護者です。
 また、ヘラクレスのアトリビュート(モチーフ)が、獅子の皮棍棒と、武力的であるにも関わらず、戦巧者であるとされ、子供たちともよく遊んだりする遊び心のある人物とされています。
 危険な古い勢力征服することによって、ヘラクレスは「人類にとって世界を安全にした」と言われており、その恩人です。正に、革命軍を生きたレノックスらしいと言えます。

 また、レノックスは現在、牢獄の鍵が魔道具ですが、その前はメイスを魔道具に使っていたそうです。メイスとは殴打用の武器で、打撃部分の頭部と柄を組み合わせた合成棍棒の一種です。棍棒と共に描かれるヘラクレスから来ているのではないでしょうか。


牛飼いと羊飼い

 養父であった王から、ヘラクレスは様々な教育を受けます。しかし、竪琴の覚えが悪く、教師のリノスは彼を叱責し、棒で打ち罰しました。ヘラクレスは子供で力加減ができず、逆にリノスを竪琴で殴り殺してしまいます。
 ヘラクレスは、裁判にて正当防衛が認められ無罪となりますが、以来、養父は方針を変え、彼を山の牧場に遣わし、牛の世話をさせます。ヘラクレスは、のびのびと日々鍛錬し、やがて剛勇無双の若者へと成長しました。
 寓話「ヘラクレスの選択」によれば、彼はその山で二人の人物に出会い「楽しく楽な人生か、厳しくも輝かしい人生か」の選択を迫られ、後者を選びました。

 父である最高神ゼウスの正妻ヘラからの嫉妬もあり、ヘラクレスは母アルクメーネとその夫である王の間に預けられます。養父は彼を受け入れ、教育の機会を与えますが、上記の出来事により、より健やかに暮らせるよう、山中での牛飼いをさせます。
 これは、レイタ山脈で羊飼いをするレノックスの要素ですね。

 ちなみに、ヘラクレスの教師であったリノスは、文芸の女神カリオペを母に持つ音楽の名手でもありました。小惑星にも名付けられておりリヌス、(22) Kalliope I Linusといいます。惑星記号はこちら。

 革命軍の元師弟ほど露骨ではないにせよ、羊の角部分が似ています。それにしても、改めて見てみると、レノックスの魔法陣って太陽を羊の角で表していて、めちゃくちゃおしゃれですね…。

 また、レイタ山脈のスポットエピソードでは、ピーターとジョンという親子が現れますが、彼らはヘラクレスの選択で現れた二人です。
 レノックスと同じように、ヘラクレスもまた「厳しくも輝かしい人生」を選び、生きていくことになります。


ブラッドリーの証言

 ヘラが大変嫉妬深い女神だという話は、ギリシャ神話内にて山程語られますが、ヘラクレスもその例にもれず、被害を受けています。

 成長したヘラクレスは、土地を防衛したお礼として、ある王から娘を嫁に貰い、結婚しました。夫婦の間には数人の息子が生まれます。
 ゼウスの正妻ヘラは、妾の子であるヘラクレスを憎んでいました。ヘラによって引き起こされた狂気の発作で、ヘラクレスは、子供たちを矢で撃ったり、火の中に投げ込んだりして殺害してしまいます。

 正気を失い、妻や子供を手にかけてしまったヘラクレス的要素を揶揄して「女子供を襲ったりする。興奮して、見境をなくして」とブラッドリーは言っているわけですね。これって4周年バルタザール in レノックスの布石だった…?襲われたのは主にシャイロックでしたけども。

シロバナタンポポだと思うけど、ヘレボルスも似てるかも…?

 ヘレボルスという薬草で狂気で治された後、ヘラクレスは自分が何をしたかに気づき、罪を償うために神託を伺いました。この神託も、実はヘラに操られたものだったのですが「エウリュステウス王に仕え、10の勤めを果たせ」というものでした。(結果として12の労働が生じることになるのですが)
 これが成功すれば、そのは浄化され、神話にあるようにとなり、不死が与えられることになります。

 あらゆる土地を巡って行った「ヘラクレスの12の功業」が、レノックスにおける「ファウストを探した400年」の罪滅ぼし懺悔後悔に繋がるのではないでしょうか。


12の功業

 罪を償うため、無茶振りともいえるような任務をこなすことになったヘラクレス。当初は10の任務でしたが、解決後その方法に難癖をつけられたものが2つあり、無効となってしまい結局12個行っています。
 その中でも、特に印象的なものを抜粋。

ケリュネイアの鹿
 ケリュネイアの牝鹿は、女神アルテミスの聖獣で、雄牛よりも巨大な姿黄金の角を持っていた。この鹿は狩猟の女神をもってしても捕らえる事ができないほどの脚の速さを誇った。女神から傷つけることを禁じられたため、ヘラクレスは1年間追い回し、鹿を生け捕りにした。

クレータの牡牛
 クレータ島周辺の土地を荒らし回っていた牡牛を生け捕りにした。この牡牛はミノタウロスの父親であり、美しいが猛々しく、極めて凶暴であった。ヘラクレスは素手格闘してこの牡牛をおとなしくさせ、肩に担いでエウリュステウス王のところに運びました。

 この2つ、レイタ山脈スポットエピソードでの、黄金の羊との格闘シーンを彷彿とさせます。レノックスが魔法を使わず素手で戦った事も含めて。

 また、12の功業のなかで「ネメアーの獅子」というしし座のモデルにもなった強靭なライオンと戦います。勝利したヘラクレスは、獅子の皮を身につけた。という逸話から、ヘラクレス=獅子と棍棒というイメージが有名。

 もしかしたら"獅子に勝ち、皮を身につけている"ヘラクレスの隠喩で、"黄金の羊に勝ち、羊を連れている"レノックスの意図があるかもしれませんね。

カワイイ!


悪戯好きの妖精

 なんとか12の功業を成し遂げ、罪を償ったヘラクレス。次に添い遂げようとした女性を見つけるも、またヘラに狂わされて城壁に投げ飛ばして死なせてしまいます。その罪を清めるため、今度は別の女王へ3年間隷属することになりました。
 そんな中、悪戯好きな木の精霊セルコペスが、ヘラクレスの武器盗みます。ヘラクレスは、精霊たちを捕まえて縛り、彼らを宙吊りにして肩にかけた肩棒に縛り付けるという罰を与えました。

 レイタ山脈サブスポ、スポットゆかりの話(2)の元ネタ…というか元精霊?ですね。探しものを嘯きながら歩く二人が、かわいい。おすすめです。


カエルと冥界への道

 舞台はディオニュソスとその奴隷のやり取りから始まる。ディオニュソスはヘラクレスの装束を身にまとっている。彼は世情を嘆き、優れた詩人が必要だから、死者の国から詩人を呼んでくる決意をしたのである。
 まずは地獄へ行く方法を尋ねに、冥界へ行ったことがあるヘラクレスの教えを請うべく、2人は彼の家へと向かう。ヘラクレスは彼の決意を聞いて驚き、押し問答の末、最初は自殺法など教えるが、その後正しい道を教える。
 そこで言われた道を進むと、大きな湖に出る。冥界への渡し守カローンに言われてに乗るが、奴隷は断られ、湖の回りを歩くことに。ディオニューソスが船に乗ると、舟を漕ぐことを強要される。漕ぎ出すとカエル達が合唱を始めるので、これと掛け合いながら舟を進める。(後略)

 これはヘラクレスというより、ディオニュソスがメインの喜劇「カエル」です。とはいえ、レノックスといえば。カエルのエチュードは外せません。

 詩人を探しに死後の世界へ向かうディオニュソスに、クローロスを探し続けて死んだコリン。渡し守であるカローンにミスラ。喜劇楽しい弔い。などなど。
 神である年長者3人もいますし、聖痕を持ち、身近な人の死を経験しているフローレス兄弟。う~ん、キリスト教。

 ちなみに、カエルのクローロス。古代ギリシャ語で Khlōros。”"を意味します。これは、クロロフィルの語源です。ギリシャ神話内では、一般的に花を咲かせることを司る妖精と言われています。



「秘密の花園」との共通点


 ここからは、ギリシャ神話からは一度離れて、レノックスのモチーフと思われる小説に触れていきます。
 フランシス・ホジソン・バーネット著、秘密の花園です。

 主人公は、10歳の少女メアリ。両親がコレラに罹り、亡くなってしまいました。両親の愛を受けず、我儘に育ったメアリは、イギリスの大きな屋敷に暮らす叔父クレイヴンに引き取られ、そこで暮らすようになります。
 あるとき、屋敷の女中マーサから、「秘密の庭」の存在を聞いたメアリ。開かずの扉の先には、隠された庭園があるというのです。興味を持ったメアリは、一人でこっそりとその庭を探し始めます。仲良くなったコマドリに導かれ、庭の鍵を見つけたメアリは、その中に足を踏み入れるのです。
 そんななか、メアリはマーサの弟であるディコンと出会い、親しくなります。またあるとき、屋敷の中から泣き声が聞こえるので、その声を辿り、メアリのいとこであるコリンとも出会います。コリンもメアリと同様、親からの愛情を受けずに育ち、病弱でありながら癇癪持ちという性格でした。そんな3人が親しくなり、一緒に秘密の庭をきれいにしようと決めるのです。
 荒れ果てた庭を少しずつきれいにしていくメアリーとディコンとコリン。荒廃していた庭が美しい花々植物できれいに覆われるようになると、不思議なことが次々と起こるようになるのです。まず、車椅子生活で立ち上がることができなかったコリンが、ついに自分の足で立てるようになったのです。しかもコリンの父クレイヴンは、妻の死によって自宅には住みつかず各地を旅していたのですが、屋敷に戻ってきました。そしてコリンが自分の足で駆け寄ってくる様を見て、子どもたちの明るい心に救われるのです。

 なお、既に同名小説にて考察されている先駆者様がおり大変恐縮だが、自分の思考整理も兼ねているため、一部重複してしまう旨ご容赦頂きたい。
 素晴らしい記事であるため、ぜひ読んで頂きたい。既読の方も、4周年の節目を迎えた今、再び、読んでください。良い記事は何度読んでも良い。


メアリ・レノックスとコリン

 モチーフ小説であろう点ひとつめが、名前。主人公の少女の姓がレノックス。そして後に登場するメインキャラに、コリンという少年。

 「秘密の花園」では、気難しく孤独がちなメアリ、病弱で自分は歩けないと思い込んでいたコリン、自然の中で遊び元気で物知りなディコンという3人の子供たちが描かれます。ある意味、対比のような3人は、メアリが駒鳥に導かれた秘密の花園、大人たちには内緒の秘密基地を訪れます。

 また、本作品において"魔法"というのも、ひとつ大きなキーワード。

「太陽が輝く。それは魔法だ。花が育ち―根が伸びる。それが魔法だ。生きていることが魔法だ―丈夫になることが魔法だ。魔法は僕の中にある。」

 これはコリンの台詞ですが、自身の生命力や、自然界そのものを魔法と称しています。これは、中々まほやく的ではないでしょうか。
 自然の精霊達を従わせる形で、魔法を使う彼ら。4周年の出来事を経て、魔力の強さとは、肉体ではなく精神によって左右される。ということがわかりました。

 目には見えない、曖昧な何かの存在を、3人の子供達は信じていました。
 純粋に信じたことによって、夏の数ヶ月で花園の草花が成長するように、コリンもどんどん健康になっていきます。
 また、同じ年頃の子供達2人を筆頭に、様々な自然との触れ合いで、孤独で偏屈だったメアリも、和らいで成長していきます。


駒鳥と花園の鍵

 現在、レノックスの魔道具は、ファウストが閉じ込められていた牢獄の鍵です。これは、物語上では花園の鍵として登場します。

「奥さまが急に亡くなってから誰も中に入らせません。奥さまのでした。だんなさまはをかけて穴を掘って、鍵を埋めました」
「あの庭に、枝が曲がって座れるようになっている古い木があって、奥さまァそこにバラがかぶさって生えるようにして、よく座ってた。だけどある日座ってたら枝が折れて、落っこちて大けがして、次の日に亡くなったんです。だんなさまも頭がおかしくなって死ぬんじゃないかってお医者さんたちァ思ったんです」

 若い女中のマーサは、屋敷の主人であるクレイヴン花園に、何があったのかをメアリに話してくれます。そして駒鳥に導かれて、埋められた鍵を見つけ、メアリは秘密の花園に足を踏み入れます。

 この駒鳥、物語上で度々出てくるのですが、個人的にフィガロを感じました。オズにだと思われている、南の国に先に定住していたフィガロ。
 この駒鳥は人懐っこく、メアリに呼びかけるように歌います。駒鳥の話をすることで、偏屈だと思っていた屋敷の庭師とも打ち解け、孤独を知り、人の柔らかな感情にメアリは気付きます。


回復の物語

「ぼくはずっと生きる。ずっとずっと生きるんだ!」

 母親似のコリンの顔を見られず、逃げるように屋敷に寄り付かなかったクレイヴンは、ある夜不思議な夢を見ます。急いで屋敷に帰ると、そこには見違えるように元気になったコリンの姿。クレイブンは驚き、喜びます。
 そして、コリンの肩を抱きながら花園の門をくぐりました。コリンが明るい笑顔だったことで、父親の心は救われたのです。

 メアリ達にとっての秘密の花園、ファウストにとっての嵐の谷、そして果てしない長旅で疲弊していたレノックスにとっての南の国レイタ山脈
 それぞれが、各々のサナトリウムだったんですね。



その他、今後考察したい部分

赤いリンドウの花

 花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」から?
 ギリシャには、ゲンティウスという王が、領民がペストに苦しめられていた際、神の啓示によりリンドウの根を示し、これを薬用に用いたという逸話がある。ペストはメアリの両親が亡くなった原因でもある。


シャイロックとレノックス

 レノックスの旅時代から既知の仲である二人。シャイロックの一等星ケンタウロス座のハダルでは?という考察をしていますが、それだけとは考えにくい。
 レノックスにはアレス要素も含まれている可能性?シャイロック=アプロディテ(ヘパイストスの妻アプロディテとアレスは恋人)と仮定した場合、聖獣のは牧羊犬クーリール、アレスとアテナはの存在、武器は。アレスの肉体的で野蛮な要素≒魔法を使うのを忘れるにつながる?


姓の”ラム”

 ラム(Lamb)は、永久門歯がない生後12か月未満の、またはその肉。
子羊は太古の昔から、優しさ、無邪気さ、純粋さのほぼ普遍的な象徴として表現されてきた。
 キリスト教では、子羊はイエス・キリストの十字架上の死の象徴である。イエスは卓越した "良い羊飼い"であり、十字架につけられたことで、卓越した"生け贄の子羊"でもある。これによりイエスは、神の子羊と呼ばれる。

 破城槌(Battering ram)とは、要塞の石積みの壁を壊したり、木製の門を割ったりするために設計された攻城兵器。丸太状の物体を垂直にぶつけることによって、その衝撃で対象を破壊する。
 投石機と並んで古代より用いられた古い兵器の一つでもあり、大砲が攻城兵器の主流となる中世後期まで歴史的にかなり長い期間用いられた。

 まほやく的にいうと、子羊のラムな気がするけど、レノックス本人はイエス・キリスト要素が薄いので、大型兵器という意味で破城槌?
 もしかしたら、ダブルミーニングかもしれませんね。



おわりに


 今回、レノックスの記事を書くに辺り、炭鉱夫という仕事内容について調べたら、これが想像以上に過酷でした。炭鉱労働というと、恥ずかしながら「炭鉱のカナリア」程度の知識で…。(魔法舎の"カナリア"さん…)
 これが遥か昔のことでなく、~70年程前には当たり前に行われていた環境だったのだと思うと、恵まれた世の中で有り難いと頭の下がる思いです。
 そして、レノックス…よく生きて革命軍に合流してくれた…!えらい!!ありがとう!!!と、彼を褒め称えたい気持ちでいっぱいになりました。
 これはそんな記事です。

 入れる隙間が無く末尾になってしまいましたが、なんとヘラクレスの最期火刑をされて、肉体の身体がなくなったことで神格化したりしています。
 揃って、(火刑と)縁ある元主従。称号辛すぎん?

 感想・ご指摘等あれば、waveboxかコメントまでぜひお気軽に!絵文字スキも嬉しいです。多忙につき中々更新出来ず、申し訳なく…。いつもありがとうございます。
 長文読んで頂きありがとうございました。どうぞよき賢者ライフを!


2024.5.16 初稿

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