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【トゲトゲ】ライブキッズから見たトゲナシトゲアリとモッシュ論争【ガルクラ】

つい先日、アニメ『ガールズバンドクライ』公式からこのようなツイートが投稿されました。

『ガールズバンドクライ』といメディアミックスプロジェクトはテレビアニメとそれに連動するリアルバンド『トゲナシトゲアリ』で構成された企画なのですが、2024/9/13に行われた「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理(以下、2ndワンマン)」で起こったモッシュ・ダイブ・リフト・過度なジャンプ・押し込み等(以下、総合して"モッシュ"とする)を受けての声明です。

これがSNS(主にX)で大きな論争の種になっており、今回はこの件に関して個人的な見解を述べていきたいと思います。

まず、この件を語るに当たって自分の立場を表明しておきますと、現状は中立派と言っておきます。
(また自分は件の2ndワンマンにも後述するBAYCAMPにも行けておらず、完全に外野からヤジ飛ばしてるだけの人というのも最初に言っておきます)
何の中立なの?って話なんですが、まずこの論争ですが自分が見るには「モッシュやめろ派」と「モッシュさせろ派」の争いであると思います。
そんなの公式がやめろって声明出してるんだからやめろ一択だろって思うのが普通であり常識のある判断なんですが、この話をややこしくさせているのが『ロックライブの悪習』と『ガルクラの魅せ方』にあると思っています。

まず前述した『ロックライブの悪習』というものに関してですが、ロックのライブ現場(主にライブハウス、野外ライブ)において散見されるのが『モッシュ禁止は建前』という風習です。
これは個人的な意見ですが、これめちゃくちゃ良くない風習でロックバンドやロックフェスが現存するためには必要悪というか苦肉の策と自分は感じています。
大前提として、主催者が公に"モッシュしてもいいですよ"なんて声明は出しません。万が一それで怪我されたら主催者の責任になり得るからです。しかし、ロックを求めている客層の過半数はモッシュしたい、出演者のバンドも自分たちの音楽で客がモッシュしているところが見たい、となると主催者は『禁止するものの黙認するのでやるなら客の責任です』といった具合です。
この悪習のせいで度々予想していないモッシュに巻き込まれて苦言を呈す人がXで散見されます。当たり前です。初見殺しです。
一応自分はこの悪習に関してはどうにか無くすべきと思ってますが、そんな簡単に解決策思いついたらイベンターがすでにやってますよって感じですね。なのでXでポツポツと呪詛みたいに壁に向かって文句言ってます。

で、ここまでロックライブの悪習を語って何が言いたいかというと、ロックライブに慣れている人は『モッシュ禁止が建前』と思ってしまう、もしくは主催者の真意はどっちなのか悩んでしまうことです。
これはトゲトゲのライブに限った話じゃなくていろんなライブの現場で起こっていて、もちろんモッシュをしてほしくない現場もありますし、してほしい現場もありますし、過度な行為だけは退場させるというラインの見極めが難しいものもあります。
最近はそれにオーディエンスが悩んでいるというのを察して、絶妙なニュアンスの注意事項を出しているところも度々見かけます。
普通に考えたらタイミングがタイミングなんでガルクラ公式は『モッシュをやめさせたい』と思うのが真意だと思いますが、そういう背景があって問題をややこしくしている側面もあると思います。

また2024/9/13に行われたワンマンの後日、2024/9/15にBAYCAMPという野外フェスに出演していることも混乱の元になっているようにも感じます。
ワンマンと野外フェスではレギュが違うのではないか? 野外フェスなら他にモッシュをしているバンドもいるだろう、と。
そして件の声明は当初、頭に”BAYCAMP2024”と付いていてその野外フェスに限った話かと思えばその文字を最新ツイートでは削除しました。
これによって「BAYCAMPにはモッシュ禁止というルールがないから消したのでは?」と考えている人も見かけました。(冗談かもしれませんが)
まぁこれに関してはBAYCAMPだけじゃなくてトゲトゲのライブ全般禁止ですよという意味を込めての削除だったわけですが。(実際BAYCAMPにてモッシュをやめるようアナウンスがあったようなのでそれが真意だと思います)

次に『ガルクラの魅せ方』についてですが、このメディアミックスプロジェクトは"アニメ"と"バンド"のミックスであり、それによって純アニメファンとライブキッズ(兼アニメファン)の双方から支持されています。
そして、今回この争いが起こっている原因としてガルクラのアニメがかなりライブキッズ側に"本物のロックバンド"という印象を与えすぎてしまったことがあると思っています。(しつこいようですが全て個人的な見解です)
アニメでの展開が音楽に賭けることへの苦悩、商業的売り方へのヘイト、周りに間違っていると言われても曲げない己の正義など、熱い展開が続いて一気に人気が拡大しました。
それが普通のアニメファンにもウケたのは当然なのですが、ライブキッズにあまりにも刺さりすぎたのではないかと思います。もちろん自分もその一人です。
こうなってくると、リアルバンドであるトゲナシトゲアリにもライブキッズが求める理想像が出来てしまい、その一つが『モッシュできるアニメ発のリアルバンド』だったのではないでしょうか。
ガールズバンド×バンドという組み合わせにおいては先駆者にバンドリというコンテンツがあると思いますが、そのコンテンツのいくつかのバンドのファンにも同じようなモノを求めている人が多い印象を受けます。
(自分はバンドリに全く明るくないので的外れなことを言ってたらすみません。MEGAVEGASでRAS見たことあるぐらいです)
(あとバンドリという単語を出して思ったけどこのnoteって絶対バンドリ界隈のn番煎じだろ)
またライブの物販に光り物がないことも要因のように感じます。ペンライトを振らないアイドルライブではないならモッシュしていいライブだと思う人もいるかもしれません。
こういった層を呼び込んでしまったことにより、モッシュしたいライブキッズ勢とモッシュ文化に明るくないアニメファンの対立が起きてしまったと思います。

結果として、件の声明が出されたということでガルクラは正式に『モッシュしてほしくないバンド』となったわけですが、この声明が出るまではどっちに転ぶかわからないし、公式もどうするべきか判断出来てなかったのではないかと思います。
なぜかというとライブキッズ層がいることなんて目に見えていましたし、アニメ人気で一気に火が付いたことは公式も当然わかっていることだと思うので声明を出すなら2ndワンマン前に声明を出すことも可能だったと思うからです。
(最初からモッシュしてほしくなかったけど釘刺すの忘れてたわテヘペロだったらタチ悪ぃ~)
マナーというのは結局その場での多数決でしかありませんから、公式としては今後のオーディエンスの反応を見て判断したい部分もあったのではないかと思います。
結果としてモッシュに対するヘイトが多かったので今回声明を出した、と個人的に解釈しています。

それらを踏まえて自分の結論としては『声明が出た以上はルールを守りましょう』ということです。もう『モッシュ禁止は建前』が通じないタイミングではあると思うので。
ただし今後モッシュありのライブもやってほしいというのも本音なので"中立派"という表現になりました。
2ndワンマンに対しても自分は行けていないので現場がどういう雰囲気だったかわかりませんが、『迷惑そうにしている客が大半ならやめましょう』とも言っておきます。これはモッシュが黙認されているライブでもあまりにも周りへの危害が大きい行為があるのでそれは流石にやめてくれと思います。(なんか人持ち上げて客に突っ込んでいく奴とかハーコーしながら突っ込んでくる奴とか)
自分もモッシュがあるライブによく行きますし自分もすることは当然ありますが、あの混沌の中にも思いやりが残っている空間が好きなので節度を持って楽しみたいですね。
またモッシュによって楽しみにされていたライブを邪魔されてしまった人には申し訳ないと思ってますが、そういった文化の層もいるんだなってことを覚えてもらえると嬉しいです。(許せと言ってるわけじゃないよ)

そして最後に、これはガルクラというコンテンツが"本物のロックバンド"であることに期待をした厄介オタクの妄言なんですがこれだけ言いたい。
シリアル商法はやめろ。それをした時点でガルクラのロックは死ぬ。


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