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街の色を染める音,街の色に溶け込む音(The sounds and colors that stain (or blend) this town

色彩処理工場は今日も稼働を続けております。

(ある旅行者の手記より)
「C.T.W.(Colour-Trash World)を
旅行する際には、
街角を始めとした
さまざまな場面で
目にする機会も多いであろう
カラーチップ、
それらを生成するのに必要な
色彩抽出技術は、
元々はこの眼に映る全ての色や
決まった時期にだけその気配を見せる色-
自らが感じ取る事の出来る色の全てを欲した
魔法使いによって編み出されたものである。
やがて、技術の進歩と時の流れと共にいつしか
音楽の音そのものや
その音楽を聴いて想起されるようなイメージからも
色が抽出されたりするようになった。
そう言ったものからは
「いい気分」である事を感じさせる色が
抽出されたりする場合が多いのだが、
失恋の色や悔しい時の色、
自分自身を鼓舞するような色なども
少なくない。

蓄音器を改装した建物はC.T.W.内には他にも沢山存在しております。

駅前の商店街の入り口にある
蓄音器を改装した
ここの中古レコード店の店頭でも
―C.T.W.内の
音盤を取り扱うような店では
特に珍しくない事なのだが、
店内で扱う音楽や
音盤の中に宿る記憶や音から
抽出したと言う色の
カラーチップが並べてられていた。
「例えば今店で流れているこの曲、
タイトルのせいもあるのだろうが、
泳ぐようにメロディを奏でるピアノが
海に吹く風の中に
染まっていくかのような
この青い色が
音の隙間から
抽出されている」
且つてはバンドマンだったと言う店主が言った。
「...尤も、この曲は
何処かの国の天気予報の
BGMとして制作されたらしくて、
作者もあくまでも仕事として
制作したようなものだから、
それ以上の感情や情熱を感じさせるような色は
抽出されてはいないのだが。
...何故、何処かの国の
天気予報のBGMのための音楽が、
店頭で売られているのか...って?
何てったってここはC.T.W.だ。
あの色彩運搬列車が
どんなものでも運んでくるからな。
それがどのような代物で
どのようなプロセスを経ていようが、
この世界で大事なのは
「どんな色が抽出出来るのか」
それだけだ」

「何でも運んで来る」色彩運搬列車ですが、最近はコンテナが2段に積まれている事も
少なくないようです。

「...映像から
色を抽出することは
出来るのかな?」
店頭で流れている
ミュージックビデオを見ながら
ふと思った事を尋ねてみた。
「ビデオやフィルム、DVD...といった
パッケージ類からは
抽出はされたりしているが、
映像そのものからの抽出は
残念だけど無理みたいだ。
企業や魔法使い達の間では
研究開発が進められているようだがね」

判り難いかとは思いますが、店頭のTVモニターにはミュージックビデオも流れております。

店の脇では
カップルの男女が、
ワゴンセールで
販売されているレコードを
熱心に漁りながら
話をしていた。
「そう言えば
何か月か前までずっとワゴンに入っていた
あの音盤は
最近全然見掛けないな...。
ずっと売れ残っていて
誰が買うんだろうと思っていたんだが」
「その音盤だったら
最近先進諸国で
リバイバルブームだとか
再評価が起こっているとかで、
わざわざこの世界にまで
足を運んで
買いに来る人が多いみたい。
この間も何処かの店で旅行者が
在庫をゴッソリ買い込んで行ったって
話を聞いたし...。
普段は私達の世界の事を
「遅れた地域」だとか
「色彩のゴミ捨て場」などと言って
さんざんバカにしてきたクセに、
価値のあるものがあるって判った途端に
急に宝の山扱い。
勝手なモンよ。
...ま、こちらは色を
抽出さえ出来れば
別にどうでもいいんだけど」

レアな音源や隠れた名盤が見つかる…かも知れません

蓄音器の上で
回転し続けているレコードから
流れてくる音楽の色は、
「街の音」としてこの街を
染めているかのようだった。

或いはもしかすると音楽の方が、
この街の色に染められて
「街の色」の一つとして
溶け込んでいたのかも
知れなかった」

・2023年 ・A4(210×297)サイズ程 ・水彩絵の具、水彩色鉛筆、水彩紙

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The town was tinged with the colors of the music
coming from the used record store in front of the railway station,
which had color chips on display in its storefront.
(Or perhaps the music was more tinged with the colors of the city.)

(※DeepL翻訳を使用・改変しております)
(DeepL translation used and partially modified)

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A4(210×297)サイズ程に完成後に切り取った
水彩紙に水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。

文中の「音からも色が抽出出来る~」云々の箇所、
・「(その音楽や音が収められているような)音盤」のような
「形のあるもの」から色が抽出出来るのか、
或いは
・「(空間を流れている)音楽・音そのもの」から
色が抽出出来る...と言う事にするのかで悩みましたが、
結局は後者の方に落ち着きました。

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さて、巷では何かとAIが話題ではありますが、
イラスト・絵画のみならず、音楽もAIで生成する事が
出来るのだそうで、
(もしもC.T.W.であれば)
「その場合はどのような色が抽出されたりするのか」…
と言うようなストーリーを考えたりしました。
「AIだから感情と言ったものも何もない」のかも
知れませんが、
ここ最近のAIの進化速度を見るにもしかすると…ー。
ちなみに、今回のキャプション文も
記事の公開をする前に
BingのAIチャットで校正を掛けたりしていたのですが、
誤字・脱字こそ無かったものの、
漢字の使い方や文章の表現等で
片っ端からダメ出しされておりました。(苦笑)

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