見出し画像

日本人の私が感じたオーストラリアと日本の文化の違い 〜名前編〜

英語を学ぶ上で言語の背景にある文化の理解というのは非常に重要だと思います。


オーストラリアに住み始めてもうすぐ2年を迎え、慣れた今は多くの事が自分の中で新たな常識となっているものの、最初は戸惑いを感じる事も多かったです。


そこで、日本の文化に馴染みのある私が気づいたオーストラリア(+他の英語圏の国とも重なる部分が多い)と日本の文化の違いについてまとめてみました。


今回は文化が色濃く反映される名前に関する違いについてです。



オーストラリアと日本の名前にまつわる文化の違い



①姓名に関して

まず山田花子さんがHanako Yamadaになるのはご存知かと思います。

こちらではHanakoにあたるfirst name(given name)=last name (family name, surname)=姓・名字より重要です。 

老若男女問わず下の名前の呼び捨てが基本ですす。

Mr. /Ms. + 名字という敬称もありますが書面かかしこまった場面のみで、日常の会話ではほとんど使われません。

病院やクリニックでさえも下の名前が呼ばれている事が多いように思います。

なので下の名前だけ知ってて名字は知らないという事が起こり得ます。

日本だと逆はありえますよね。


②日本名と英語名

一般的に日本人の名前は英語圏の人からすると発音しにくく、覚えにくいようです。


同じことが他の国の名前、特にアルファベットを使わないアジア系やアラビア系の名前にも当てはまりますが、中国人台湾人香港人韓国人の多くは母国で使う本名とは別に通称の英語名を持っていたりします。

日本人は日本の名前を貫く人がほとんどなので、名前を伝えると"You must be Japanese. "などと言われ一発でバレます(笑)


Moemi(モエミ)という名前は現地の人から"マヨミ"とか"マオミ"時には"ナオミ🎾"みたいに発音される事がよくあります。

最近では自己紹介の時にあえてCall me Miami(読み方: マイアミ🗽笑)とか、もはやMoi(モイ)など、なるべく呼びやすく覚えやすい名前を先に伝えるようにしています。


Moiは適当につくった造名ですが、英語圏の人の何割かはちゃんとした自分の名前の短縮形を持っています。

例えばRobertはRob, BobであったりElizabethはLizだったり。

好みの問題なのでしょうが本名ではなくその短縮名で最初から名乗る人も存在するので、本名を知らないという事態もあり得そうです。
(仕事では必ずメールでクライエントの本名を知らされますが)


ミドルネームがある人もない人もいます。両親がどこの国系の血を引いているかというバックグラウンドにより異なるようです。



③名前を呼ぶ頻度

コミュ力が高い人ほど相手の名前をよく呼ぶという事を聞いた事がありますが、オーストラリアに住む人々は相手の名前を呼ぶ回数が日本に比べて多いように感じます。

(例)
How are you, Moemi.
Thank you for coming, Moemi.

上記のように事あるごとに文の最後に名前を入れて呼んでくれる事が多いです。

発音が違っていたとしても名前を覚えようとしている姿勢に心を打たれますし、下の名前で呼ばれると初対面から親密感を感じます。


*****


①でも触れましたが仕事においても上司・部下・患者(施設だとレジデント、訪問介護の現場だとクライエント)などの立場は関係なく全員下の名前呼び捨てです。

直接でもメールでも電話でも同じです。

日本だと「師長」とか、会社であれば「部長」などその人を名前でなく肩書きのみで呼ぶ事が正式な場では多いですよね。

(例)
Hi Maria, (職場の上司にむけて)
Hello Cristin, how are you doing?(クライエントに向けて)

最初の頃はフランクすぎて、失礼な気がしてむずがゆかったです。


*****


また、オーストラリアでは家族、親戚、友達など周りの人の事について第三者に話す時に、続柄ではなく名前で呼ぶ事が多いです。

日本だと親しい間柄同士でも「友達がさー」とか「職場の人がね、」など名前を出さずに肩書きで呼ぶ事も多い気がします。

人によると思いますが。

(例)

🇯🇵:兄ちゃんが先月結婚したんだ。

🇦🇺: Sam got married last month. (Sam=兄ちゃん)




④名前ではない様々な呼び方

endearmentと呼ばれる親愛を示す呼び方も一般的です。

よく聞くのはdear, darling。日本のイメージだとハニーは女性に、ダーリンは男性に使うと思いがちですが、darlingはこちらでは男女関係なく幅広く使われます。

特に仕事で個人宅に訪問した時や道端で子連れ親子を目にした時によく耳にし、恋人間はもちろん家族間で使われる場面が多いと思います。

介護士が介護提供者(クライエント/レジデント)に対して使っている事も多いですし、逆もあり、私自身もあるクライエントからdearと呼ばれています。

友達同士でも使う人もいます。

種類は様々で、聞いたことがあるのは上記の他にsweetie, sweetie pie, sweetheart, my love, my engel, gorgeousなどなど。


※R3.8/21追記

現地の家族の会話などを聞いていると、"ダーリン"さえも略してもはや"ダー"みたいな発音をしている人もいる事に気づきました。

調べてみるとオーストラリアとニュージーランド地方のみで使われるdarlとして認識されているようです。

画像1

主に女性に対して使われる言葉なのですね。

下記サイトより抜粋。



*****


もっとカジュアルな呼び方もあります。

オーストラリアのスラングで有名なG'day mateのようにmateは幅広く使われ、my friendも同じ位置に値すると思います。

mateは意味的には日本語の友達、仲間とか相棒などに値します。

ただ色んな場面で使うので特に特別な対象を表しているわけでもなさそうです。


それとは別に男性にはbro/brother, man, dudeなど、女性にはsis/sisterなどが若い年代にはよく使われます。

(例)
Hello, my friend.
Cheers man!
Thanks, mate!

ちなみにこれは友達同士だけでなく店員と客のちょっとした挨拶として、また乗客がバスを降りる時に運転手への挨拶として言ったりします。

店員が客に対して使う呼び方としてより丁寧なMr, sir, Madam, Missなどもありますが、典型的なオーストラリア人はカジュアルな呼び方を使う方が一般的な気がします。

 


*****



今回名前に関する事だけでしたがかなり膨大な量になってしまいました。

こうして比べてみると礼儀を重んじる日本とはかなり異なる部分が多いですね。

ただし、様々な国の背景を持つ様々な文化の人が混ざりあっているオーストラリアですので、全ての人がカジュアルな態度とも限りません。

大切なのはどのような呼び方でも相手への思いやり尊敬の気持ちを忘れない事ですね。


Showing respect is the nuts and bolts of communication😉

いいなと思ったら応援しよう!