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白い街、想えば

雪に覆われた街のはじっこが、しろい空と混ざりあっている。
陽が降りる時間帯になると、その曖昧な境目から、白かった世界がほのほのとオレンジ色に染まってゆく。

雪のある、冬の景色が好きだ。

朝早く外に出て、新雪に最初につける足あと。
その上に雪が降り、残した痕跡はおぼろげになってゆく。
他者や、自分の存在が隠されてゆくような、心地よい心許なさ。

夜、月や街灯の光がしろい街に反射して、きんと冷たい世界にやんわりと、冬のあたたかみが漂う。
冬の夜、カーテンを少し開けて、ほの明るさを感じる愉しみ。

降り積もる雪や寒さは、音や、大きくなりすぎた感情、思考をそっと吸い込んでゆく。

冬の静けさ、生まれるモノクロ。
次の冬には、かならず。

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