今さら聞けない! 不動産投資における「躯体と設備」というワード
皆さんは「躯体」と「設備」というワードに聞き覚えはありますか?
すでに不動産投資を行なっている方は耳にする機会が多いと思います。
特に確定申告のときなどに使うことが多いため、不動産投資を始めようと考えている人は、事前にしっかり知識をつけておきましょう!
今回は躯体と設備(附属設備)以外にも、それに派生する知識も併せて確認していきましょう。
建物全体を支える構造部分となる「躯体」
躯体とは床、壁、梁、柱など建物全体を支える構造部分を意味します。
マンション構造体のほとんどは、RC造と呼ばれる鉄筋コンクリートや、SRCと呼ばれる鉄骨鉄筋コンクリート造が一般的です。
躯体の種類によって異なる「耐用年数」
耐用年数は躯体の種類によって異なります。
投資用マンションとして広く知られているのものは「居住用マンション」に該当し、鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート造のものは耐用年数47年とされています。
国税庁HPの「耐用年数」のページを見てみると、主な減価償却資産の耐用年
数が「構造・用途」「細目」ごとに記されています。
この耐用年数を元に減価償却費計算が行われますので、どのように行うか見ていきましょう。
減価償却費計算式
躯体の減価償却費(毎年) = 躯体金額 × 0.022
購入した初年度は所有していた月数まで考慮する必要があるので、計算式は下記のようになります。
躯体の減価償却費(初年度) = 躯体金額 × 0.022 ÷ 12か月 × 引渡月
「設備」と呼ばれる建物の附属設備にはどんなものが該当する?
こちらも国税庁のHP、「建物附属設備」を見てみると電気設備(照明設備等)、給排水設備、ガス設備、エアコンやボイラー設備などが、建物の附属設備に該当します。
設備における耐用年数
不動産投資を行う際に多い「ワンルームマンション」を例に見てみると、設備として備わっているのは、電気設備や給排水設備、ガス設備等です。それら建物附属設備の耐用年数は15年となっております。
償却方法
躯体の償却方法は「定額法」にて償却されます。これは15年間、毎年同額が償却されていく償却方法です。
ちなみに、2016年3月末までに取得した不動産については、「定率法」で償却ができましたが、法改正があり、2016年4月1日以降に取得した不動産は全て「定額法」での償却が義務付けられました。
償却率
定額法の償却率は国税庁のHPを見ると0.067となっています。こちらを用いて設備(建物の付属設備)の減価償却費を計算してみましょう。
減価償却費計算式
設備(建物の附属設備)の減価償却費の計算式は下記のようになっています。
躯体の減価償却費(毎年) = 躯体金額 × 0.067
躯体と同じく、購入した初年度の計算式は、
躯体の減価償却費(初年度) = 躯体金額 × 0.067 ÷ 12か月 × 引渡月
となります。
躯体と設備は確定申告で必須?
不動産投資を始めると、サラリーマンでも年末調整以外に「確定申告」が可能です。躯体と設備(附属設備)は、減価償却が可能な資産として国から認められているため、確定申告で経費計上できる費用の大半は、躯体と設備(附属設備)が占めています。
躯体・設備(附属設備)の割合
躯体と設備(附属設備)の割合については、各建物や不動産会社によって異なります。一般的には「建物躯体:80%/建物設備(附属設備):20%」という割合が多くなっています。
割合が分かれば、建物躯体金額、建物設備(附属設備)金額を計算できます。
各金額を算出したら、いよいよ毎年の減価償却費用を出すことができます。
ここで耐用年数、減価償却資産の償却法、償却率を知っておく必要性が出てくるというわけです。
確定申告を行う際に、100%正しいという正解は存在しません。税理士や、担当の営業に相談しながらどのようにすれば自分にとってベストなのか、相談しながらすすめるのが良いでしょう。