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マンションの耐用年数とは? 償却率と計算方法もあわせて解説!

今回はマンションの売却の際などに知っておきたい耐用年数や償却率の算出法、耐久年数について勉強していきたいと思います。

マンションの耐用年数とは?

耐用年数とは、建物が固定資産として使用できる年数として基準を設けているもので、いわゆる減価償却期間を指します。対象となる資産において利用に耐える年数のことを言い、法定年数ともいわれます。
一方、耐久年数には明確な基準はなくありません。メーカーが独自のテストなどを基準に、使用期間の目安を示したものが耐久年数となります。

【新築マンションの場合】
躯体:47年
附属設備:15年
新築マンションで見てみると、上記のようになります。
では、中古マンションではどうでしょうか。
中古マンションの場合は、経過年数を差し引きするだけと考えられがちですが、それは間違いです。
中古マンションの場合、法定耐用年数を全て経過しているかどうかで残存耐用年数の計算方法が変わります。
法定耐用年数を全て経過している場合、法定耐用年数の20%にあたる年数が残存耐用年数とされ、計算式は以下のとおりです。

法定耐用年数 × 20% = 中古マンションの残存耐用年数

一方、法定耐用年数が全て経過していない場合、以下の式で残存耐用年数が計算できます。
(法定耐用年数 - 築年数)+(法定耐用年数 × 20%) = 中古マンションの残存耐用年数

どの時期での償却率を適用すれば良い?

今回の償却率は、減価償却資産の償却率を示します。
償却率を適用する際、ポイントは築年数に該当する償却率ではなく、残存耐用年数の償却率が該当するということです。
築20年の鉄筋コンクリートマンションの残存耐用年数を例に考えてみましょう。
躯体の残存耐用年数は以下のように計算します。
法定耐用年数47年 - 経過年数(築年数)20年 = 27年
経過年数(築年数)20年 × 20% = 4年
27年 + 4年 = 31年

また、付属設備の耐用年数は以下のとおりです。
法定耐用年数15年 × 20% = 3年

躯体:31年
設備:3年
上記の年数を償却率一覧表で見ると
【躯体】
残存耐用年数:31年
償却率(定額法):0.033
【附属設備】
残存耐用年数:3年
償却率(定額法):0.334
このようになります。
法改正のため2016年4月以降に取得した建物は、躯体/附属設備ともに全て定額法が適用されます。たとえ建物の築年数が築20年であっても、定額法が適用されます。

マンションの耐久性を測る重要な3つの要素

マンションを選ぶ際は、耐用性だけでなく耐久性に目を向けることも重要です。耐用性は「資産としてどのくらいの期間使えるか」を示すものですが、耐久性は「劣化にどれだけ対抗できるか」を示すものです。
つまり、耐久性の高い建物はそれだけ劣化しにくく、運営していく中で大規模な修繕やメンテナンスのコストがかかりにくいといえます。
では、マンションの耐久性を測るにはどういったポイントを確認すれば良いのでしょうか。ここからはマンションの耐久性を知るための3つの要素についてご紹介します。

管理状態
中古のマンションを購入する場合は、過去の管理状況をチェックしましょう。
近年では、マンションを建設する段階であらかじめ「修繕計画」と呼ばれるメンテンナンスの計画書を作成します。この計画書に従ってメンテナンスを行えば、耐久性を損なわずに利用し続けられるというものです。
しかし1970年代以前に建てられたマンションには、修繕計画がない場合があります。このような場合、管理組合が修繕積立金を集めていないケースがほとんどです。さらにメンテナンスのタイミングは完全にオーナーにゆだねられます。
大規模な修繕は多額の費用がかかるため、定期的に行われていない場合がほとんどです。
つまり古い物件は30年以上もの間、全くメンテナンスされていない可能性があります。手入れのされていない物件は非常に危険です。なぜなら外壁のコンクリートが劣化し、建物を支える鉄骨が腐食してしまっている可能性があるからです。
一般的なメンテナンスでは、外壁のコンクリートを補強することによって内部の鉄骨を守ります。しかし修繕を怠ると外壁のコンクリートがひび割れたり、空気や雨に触れて性質が変化したりすることで、内側の鉄骨の腐食を進行させてしまうのです。
このようにマンションのメンテンナンスは、耐久性を維持するために非常に重要です。耐久性を測るには、以前の管理状態を詳しく確認しましょう。
管理組合の組織構成を確認し、修繕積立金をきちんと集めているか確認することも必要です。

構造
マンションそのものの構造が、耐久性に優れたものかどうかを確認することも重要です。
その指標となるのが、「住宅性能評価書」の有無です。
住宅性能評価書のあるマンションは耐久性が高く、天災が起きても倒れにくいという特徴があります。
2000年10月より、「住宅性能表示制度」という制度が始まりました。住宅性能表示とは耐久性を含め、物件の「安全性」を評価するものです。この評価を受けた物件には、住宅性能評価書が付きます。
評価は設計段階と建築段階の2段階に分かれており、それぞれ耐久性や劣化の軽減など10分野32項目で細かく評価するのが特徴です。
例えば住宅性能評価書の1項目である「耐震等級」の数値が高ければ高いほど、大きな地震に耐えられます。
ただし一般的には最も低い等級1でも震度7レベルの地震に耐えられるので、住宅性能評価を受けているだけで、ある程度は安心できるといえるでしょう。
また、「劣化対策等級」という項目では物件の劣化しにくさを数値化しています。等級1は一般的なマンションと同様の耐用年数とされており、等級2になると耐用年数は50〜60年と予想されます。なお最も高い等級3では、70〜90年もの耐用年数が想定されます。
このように住宅性能評価を受けており、なおかつその評価が高ければ、より耐久性が高く長持ちするマンションだということが分かります。

立地条件
どれだけ耐久性の高い物件でも、立地条件によって寿命を縮めてしまう可能性があります。
例えば日当たりが悪い物件は、湿気がたまりカビが生えやすくなります。その結果、木造部分の劣化が早まり、通常よりも早い建て替えを必要とするかもしれません。
また、海沿いのマンションは塩害に注意が必要です。海風に乗って塩が飛来することで、マンションのベランダや窓の桟(さん)がさびてしまう可能性があります。
さらに、地盤には固さの差があります。地盤の固い地域と地盤の緩い地域では、当然前者のほうが望ましいでしょう。地盤が緩ければ、地震があったときにマンションが倒壊するリスクが高くなります。
このように、マンションの耐久性を測るには物件そのものだけでなく、立地条件にも目を向けることが必要です。マンションの耐久性を阻害せず、長く安全に運営できそうな立地を選びましょう。

寿命を迎えたマンションはどうなる

寿命を迎えたマンションは、それ以降の耐久性に不安があるため、建て替えが必要です。つまり最低限度の耐久性や安全性が保障できなくなった時点で、「寿命」と判断されます。
マンションの寿命を判断するのは、基本的に管理組合です。主に国土交通省の定める「マンションの建て替えか修繕かを判断するためのマニュアル(以下参照)」に基づいて、マンションの寿命を判断します。
建て替えには多額の費用がかかるため、「大規模修繕で何とかしたい」という方もいるでしょう。

しかし築年数が長くなると、大規模修繕の頻度も費用も増えていきます。結果的に建て替えるのと同額、もしくはそれ以上となる可能性があるのです。
安全性を維持するためにも、建て替えはすみやかに行うことをおすすめします。もしくは寿命が近くなったあたりで売却することを検討しても良いでしょう。

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