「俳句に読める心の色」

 以前、担当していたラジオ番組に俳句コーナーが設けられたことがきっかけで、私も俳句づくりの仲間入りをするようになりました。

 といっても、わずか17文字のなかに季節を織り込み、花鳥風月の世界を表現するのは予想していた以上に難しく、句会でも的確な言葉を見つけられないいら立ちを感じ続けてきました。

 ある時、色をうまく織り込むと、生き生きとした描写になるのではないかと、著名な俳人の作品を調べてみたことがありました。

 俳句には、色が使われているのですが、なかでも、花や風、匂い、音などを鋭い感性でとらえ、特に白の使い方がすばらしいという印象を持ったのが松尾芭蕉です。

*「石山の石より白し秋の風」 

*「葱白く洗いたてたるさむさ哉」

 *この銅像は松尾芭蕉が「奥の細道」を旅した時に訪れた中尊寺にあります。

 以前、担当していたラジオ番組の取材で「奥の細道」を一人旅することになり、山形市の立石寺や岩手県平泉の中尊寺、新潟県の出雲崎を取材したことがありました。

今も懐かしい思い出となっています。

 また日本ペンクラブ主催「平和の日のつどい」が開催された時、久しぶりに愛媛県松山市を訪れました。

 正岡子規を生んだ松山は俳句の盛んな街で、司馬遼太郎氏の名作「坂の上の雲」も松山が舞台になっています。

 *「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」 

 明治28年に奈良を訪れた正岡子規が、28歳の時に詠んだ代表作です。

私の好きな子規の句に「月赤し雨乞踊見に行かん」があります。

 月が赤く見えることに不吉な予感を感じながらも、踊りを見に行くというわくわくする気持ちを抑えられない複雑な気持ちを詠んだものです。

 カラーアナリストの勉強をして、俳句に対する感じ方が変わったと感じています。

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