「スポーツ界の青」
以前は、白と黒のモノトーンのイメージが強かった日本の伝統的なスポーツも、かなりのスピードでカラー化が進んでいます。
一例をあげると、昔、相撲のまわしの色といえばほとんどが黒で、たまに濃紺や紫を見かけるぐらいでした。
今では青、赤、緑、オレンジといったさまざまな色が使われ、黒のまわしを締めている力士のほうが珍しくなってしまいました。
柔道の世界でも、柔道着の色は白と決まっていたのが、今では青の柔道着が採用されるようになっています。
1980年代の後半に、東京オリンピックの金メダリストであるオランダのアントン・ヘーシンク氏が、審判や観客にも分かりやすいように、一方の選手に青い柔道着を着せてはどうかと提唱したそうです。
ヨーロッパでは、比較的すんなり採用されたようですが、本家本元である全日本柔道連盟は「柔道の心は白」と、青の柔道着には最後まで反対していました。
にもかかわらず、世界の大勢はカラー化に傾き、このままでは日本だけが孤立してしまうと、1996年の嘉納杯国際柔道最終日のデモンストレーションで、初めて日本選手が青い柔道着を着ることになったのです。
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以来、2000年のシドニーオリンピック、2004年のアテネオリンピックでは、青い柔道着の日本選手が活躍しました。
スポーツ界では、集中力をアップさせるブルーが注目されつつあります。
グリーンだった卓球台が明るい青に変わり、レンガ色が主流となっていたテニスコートや陸上競技のトラックも青が採用されるようになっています。
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例えば、テニスコートの青と黄色いボールは、補色(一番コントラストのある対比色)の関係にあり、よりボールが見やすいという効果もあるようです。