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【資料公開】テレワークに関する人事・情報セキュリティ面の確認事項

この記事は、2020年3月9日に執筆し、加筆・修正を加えたものです

クラウドワークスのテレワーク(リモートワーク)制度策定にあたる、人事・情報セキュリティ面の資料を公開します!

これからご紹介する資料は、3月5日に開催された「企業がテレワークでも事業の成長スピードを落とさないための報道関係者限定の勉強会」にて配布された資料をもとに、資料の補足を交えながら解説していきます。

0. 最初に

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止のため、テレワーク・時差出勤などが注目を集め、従業員数千人規模の大企業でも実施されるようになりました。突如始まったテレワークに対し、時間が経つにつれ、「部下の仕事の様子が分からない」「長期テレワーク時の効率のいい仕事の仕方が知りたい」といった、新しい働き方にまだ慣れきっていない声が聞こえ始めています。加えて、3月2日からは小中学校の臨時休校も始まるなど、先が見えない状況の中で子育て中の働き手への負担も増えているのが現状です。

 そんな中、弊社においても2月17日~21日の間、全従業員の原則在宅勤務を発令しました。その中で、普段からテレワークに取り組んできたからこそ感じる、テレワークによる企業負担を軽減する方法があることに着眼していました。

 そこで、フルタイムのテレワークを既に全社導入している弊社が、テレワークの活用に向けて必要であろう緊急準備を、厚生労働省のガイドラインと照らし合わせながら、人事労務観点・情報システム観点のそれぞれからご紹介してまいります。

1. テレワーク制度・在宅勤務制度の導入に向けて

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人事労務観点は労務チームが主体、情報セキュリティー観点は情報システムチームが主体となり、担当を分けてルール策定を行いました。

2. 規則・規程づくり

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弊社ではテレワークを導入するにあたり、「制度規定」と「運用ルール」の二本柱で進めてまいりました。規程の中で、細かいルールを定めて縛るのではなく、ガイドラインの中で実態に応じた運用ルールを明確化するように心がけました。

3. 勤怠管理

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弊社では、始業・終業時刻の記録はもちろんの事、出社・退社の打刻を行った際の位置情報を取得し、あらかじめ申請している場所で就労しているかを確認しています。
 クラウドワークスでは、テレワーク勤務に関しては実施回数についての制限を設けない代わりに、必ず事前に実施日や時間の報告をチーム内で共有し、業務に支障が出ないようにしています。

 また、クラウドワークスでは満員電車を避けるために午前中テレワークを実施した後に午後出社することや、午前出社して15時頃に通院の為一時抜けて、そのまま帰宅した後に残りの仕事を家でテレワークにて行うといった働き方も可能です。その為にも、複雑な勤務形態に対応できるような勤怠管理ツールを導入しています。

 このように、テレワークを用いた際の実際の働き方を具体化させたうえで、その勤務管理が可能かどうか、ツールを導入する際にはしっかりと確認する必要があります。

4. 在籍確認

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会社でツールの統一は行っておりませんが、各部署の人数や用途に応じたツールを用いています。テレワーク時は必ずツールに接続し、オフィスとテレワーク先をつないでいますので、まるでオフィスで働いているかのように、声がけをしたらいつでも応答できるといったスムーズなコミュニケーションをとれる環境が整っております。

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▲オフィスとテレワークメンバーを常時繋ぎ、タイムリーなやりとりが可能に。

5. 業務管理

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テレワークではどうしても、メンバーがどんな仕事をしているのか?忙しいのか?業務をお願いしてもいいのか?と感じることが少なからず発生します。そこで弊社の労務チームはタスク管理ツールを活用し、「業務の見える化」を行っています。

 そのツールで、各々が持っているタスクをチーム内にて公開しています。毎日業務開始時に、「今日取り組むタスク」を明確にし、順次「完了した取り組むべきタスク」に区分けするようにしています。終業時には「今日取り組むタスク」に何も残っていない状況が望ましいですが、終わらなかった場合は「なぜ終わらなかったのか」をチーム全体に報告したうえで、翌日のスケジュールを修正し、タスク管理ツールに反映する取り組みを行っています。

 上記の通り、ツールを活用してタスク管理を行うことで、チームメンバーの業務見えるかはもちろん、業務における連携もスムーズに進めることが可能となりました。

6. テレワーク時のコスト負担

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弊社は規程のひとつとして「リモートワーク規程」を設けており、その中でテレワークにともなって発生する光熱費、通信費等の整備の費用は、原則自己負担とする旨を謳っております。


ただし、営業などの職種の場合はどうしても電話などの通信料が発生してしまうため、必要に応じ直属上長の判断で携帯電話等を貸与する事としております。

7. テレワーク時の健康管理

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テレワークだとお互いの体調の変化などには気づきにくいため、精神的にも身体的にも体調を壊す方が出てきます。そんな時に、気軽に相談できる場所があるというのは従業員の心理的安心にも繋がるのではないでしょうか。

8. 導入のための教育・研修

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テレワークの教育・研修において弊社が大切にしているのは、下記の2点です。

(1)テレワーク勤務において遵守しなければいけないルール理解
(2)テレワーク制度を導入した会社の意図を理解する事

この二つを中心に教育・研修を行っています。

 タイミングとしては、まず入社時に実施し、その後は年2回ほどeラーニングを用いて実施しております。

9. テレワーク環境

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テレワークを導入した当初問題になったのが、音声の問題、画面共有の問題、ネット環境の問題など、会議室の設備についてでした。テレワークにおける会議では、こういった環境を整えることが大変重要になります。

テレワーク導入当初は、回線への接続がうまくいかず、会議の冒頭5分は接続に時間を費やしてしまったり、PC付属のマイクやスピーカーだとお互い聞き取りづらく、コミュニケーションが思うようにできない、といったことがしばしばありました。

そこで、各会議室に有線LANを常設することでインターネット回線をより強固にし、WEBカメラやスピーカーホンの設置などを進めました。その結果、今ではテレワーク時であっても会議を円滑に行えるようになりました。

今後、さらに環境を整えるべく「固定電話に頼らない総合型コミュニケーションツールの導入」や「紙による押印・捺印の電子化」などについても、引き続き導入に向けて検討を行っております。

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▲会議室の様子

10. コミュニケーションツール

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弊社では社内コミュニケーションツールとして「slack」を利用しております。
slackとは、チーム内でのコミュニケーションをとることができるチャットサービスです。

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▲人事部門(ヒューマンサクセス部)で全社テレワーク推奨になった際のルール

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▲朝稼働開始時に必ず挨拶。スタンプでリアクションをすることもできる。

11. ルールによるセキュリティ対策

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一部従業員に対するテレワーク導入(2016年)以降、すべての従業員がテレワークによる就労を可能とするべく、「情報セキュリティポリシー」と「情報セキュリティに関する運用ルール」を整備しました。

これら2つに関する理解度テストの受験(満点合格のみ)を義務化し、その後社内申請システムでの申請・承認を必須としました。

また、テレワーク時のインシデントフローを整備しました。「インシデントかも?」と思われる事象が発生した際は、何よりも先に連絡するというフローを整備し、関係部署には一斉に連絡が出来るような仕組みを構築し、本人や上長・関連部署の対応を可視化して何をすればよいのかを分かるようにしています。

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▲満点必須のガイドライン理解度テスト

12. 技術的なセキュリティ対策

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会社から貸与されている端末にはモバイルデバイス管理ツールがインストールされており、紛失時にリモートロックやリモートワイプが実施出来るようにしております。

13. 物理的なセキュリティ対策

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カフェやコワーキングスペースなど、不特定多数の人が集う場所でのテレビ会議は禁止としており、リモートワーク中のテレビ会議については、必ず個室を利用するよう徹底しています。

14. テレワークに関するFAQ

勉強会で多くの報道関係者から質問を頂きました。その質問に関し、この場を使って当社の事例をお伝えします。皆様のご参考になれば幸いです。

Q.1: 業種や職種によってテレワークのしやすさは異なりますか?
率直に申し上げて、難しい業種や職種もあるかと存じます。しかし、業務の切り出しやシステムを見直すことで、テレワークを導入できる可能性は広がると考えています。

ColorfulWorksでは、全社テレワークになる以前の「ハタカク!」という取り組みを行っていた頃から、エンジニアチーム・デザイナーチームにおいて小さくテレワークをスタートさせ、実績を積みあげていき、全社導入時には人事部門・営業部門など、様々な部門でも実施することができております。

Q.2: テレワークに関するマインドセットはどうしていますか?
弊社では、複雑性の高い課題に取り組むには、自己組織化したチームによる自律的な動きが不可欠であり、そのようなチームがパフォーマンスを出すには、行動を制限するルールは少ないほうがよいと考えております。

そのため、マネージャーへは性善説に基づいて各チームへ運用を託し、チーム自身によってチェックと改善ができるように導いていくこととしております。

また、テレワークの考え方について、「チームへ働き方の選択肢を提供する」ことであり、「福利厚生や権利ではない」としております。

Q.3: 勤怠システムはどのような観点で選定していますか?
会社によって想定しているリモートワークの仕方は様々かと思います。弊社では「リモートワーク勤務は1日単位に限らず、様々な組み合わせを可能とする」としており、以下条件を満たすものを採用しております。

(1)事業場所が自宅であるかの確認が取れる事
(2)出社に伴う移動時間を労働時間に加算しない事
(3)出社後ランチ休憩を取得した場合、その時間が記録されること
(4)通院にともなう時間が労働時間に加算されない事
(5)終業場所が自宅であることを確認する機能

※詳細はこちらをご覧ください!

Q.4: テレワークの導入はいつ誰がどのように判断してますか?
弊社では以下すべて満たすことを条件に、各部門の上長の承認を得た上で、テレワーク許可と判断しております。

(1)テレワーク勤務を希望する者
(2)試用期間が終了した者
(3)会社以外の場所で業務遂行することにより作業能率又は生産性の向上、健康福祉
の改善、育児・介護制度の充実等が認められる者(許可基準及び申請)
(4)「秘密保持に関する誓約書」の提出をもって、会社が保管する各種の情報を、社
外に持ち出す包括的な承認を得た者

15. 最後に

ColorfulWorksでは、クラウドワークスのテレワーク時の実体験やノウハウを引き続き紹介してまいります。

今後、働き方改革をさらに推進していく必要がある中で、是非とも弊社の取り組みを参考にしていただけましたら幸いです。


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