78_色彩論の授業もやってます(9)最終レポートで投げかけてみた<2>白orカラフル? 15 tomomi kohara:colorfulvision_色彩研究室 2025年2月13日 01:25 大学最終レポートのテーマは「colorless〜ペットボトルのキャップの色」。2011年3月の東日本大震災の後、各社ペットボトルのキャップの「白への共通化」が進んだ時期があり、店頭に並ぶペットボトルのキャップが全て白になったことがありました。2025年現在ではペットボトルのキャップは元通りカラフルです。キャップを白にする、カラフルにする、それぞれの賛否を推察して下さい・・・こんな感じで。 レポート課題(1)ペットボトルのキャップは全て白である方が良いと思う理由。これはほとんどの学生が「環境保護」「効率性」「経済性」を理由に挙げていました。その他の意見としては「白の清潔感や軽やかさ」「陳列棚の統一感」など情緒的効果についての意見もありましたが、このケースにおいてのモチベーションとしては少し弱い気がします。個人の感想ですが 笑 レポート課題(2)ペットボトルのキャップはカラフルである方が良いと思う理由。こちらは様々な意見が出てきましたが最も多いのは「識別性」にまつわるもの。味覚と色の関係、メーカーの独自性、競合による経済的活性化など「他との区別」を考えた意見が多かったように思います。「温かい飲料のオレンジ」「シュガーレスの黒」「レモンの黄」「お茶の濃さと緑の濃淡」など視覚的な目印はタイムロスの解消にも繋がりますね。次にちょっと面白い視点をいくつか紹介します。 学生A「私のアルバイト先では飲料は全てペットボトルホルダーに入れなければならない為、キャップでしか自分の飲み物を判断する方法がなく、全て白であれば手間をかけて確認する必要が出てくるので飲みたいものがすぐに飲むことができない。」自分の体験からの実感を持つことは大切です。やがてそれは独自の「視点」になっていくからです。 学生B「ペットボトルを冷蔵庫に寝かせて並べた時に中身の色が似ている飲み物だった場合、キャップが同じ色だと分かりづらく一度出して確認する必要がある。商品ごとに色が分かれていたらキャップを見るだけで選ぶことができる。」なるほど!ペットボトルが置かれる状況まで推察したのですね!これ、デザインの差別化という点でも大事なことなんですよ。 学生C「色からその商品への購買意欲を掻き立てると考える。また、様々な色があることで文字を読まずとも一瞬で認識できる点がカラフルのメリットだと思います。エコや生産性では白の方が良いように思うが、色にも多様な役割があることを考えると安易に無くすものではないと考えます。」上手くまとめています。ほんと素晴らしいです。 他にも「ペットボトル全体のデザインを考えた時、ボディの色と合っている方がいい」「選びにくいと顧客満足度が下がる」「新発売なら尚更」etc.・・・なるほど!と思う意見も多く、ニマニマしながらレポートを読みました。ちゃんとスーパーやコンビニに行って「現場検証」していた学生もいて、そういう「実感の累積」はこの先きっと役に立つことがあるよ〜と思うのです。次回はレポート(3)についてアップしますね♪ 前回記事→https://note.com/colorfulvision/n/n1ebc4aa06913 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #色彩 #白 #ペットボトル #環境保護 #color #色彩論 #COLORLESS #商品の色 #大学の色彩講義 15