21_色彩構成の授業やってます(2)〜センスの種まき

画像1 デザイン専門学校における「色彩構成の課題」第2弾。前回は無彩色&同系色による色彩構成」について取り上げました。今回は「無彩色&反対色による色彩構成」です。同系色は色相が同一or類似、色相環において45度差以内の組み合わせであるのに対して、反対色は色相差120度以上(max180度)の組み合わせをいいます。写真左が同系色、写真右が反対色ということになります。
画像2 同系色はどこかまとまりのある配色になるのに対し、反対色は全く性質が異なる色みの組み合わせになるため、何となくアクティブな印象を受けやすくなります。
画像3 今回も学生作品をリメイクしてみました。左が学生、右がリメイクしたものです。反対色でも最も色相差がある「補色」の組み合わせなので、色の種類や分量は全く変えず配置を変えるだけでビビッドな補色の持つダイナミックさを強調しました。。
画像4 前回も述べましたが、美しい配色はモノクロにした時も美しい明度バランスを持ちます。学生(左)作品も充分美しいですね。
画像5 この作品はちょっとユニークな感じがしたので色も配置も変えることなく、どういう風にリメイクしてみようか考えた結果・・・そのままゴロンと「回転」させました。この作品は額縁のような黒がよく効いています。そこで下方にあった黒を上方に持ってくることで「不安定さ」を与えてみました。色彩心理において暗色は重く感じるという効果があります。頂点で立っている正方形はそれだけで不安定なのですが、それに「重い色を上にする」という軽重感による不安定さをプラスすることで少しハラハラするような楽しさが生じるのです!!(ほんとかよ)
画像6 この作品のポイントは黒です。反対色の対立感に黒が強い作用を及ぼしています。
画像7 最後にもう一つ。これは彩度控えめの反対色(補色)の組み合わせです。鮮やかな色どうしの反対色に比べると少し落ち着いた印象になりますが、やはり反対色の持つ強さを感じます。特に黄系と青紫系は正反対の組み合わせになる上に明暗コントラストも生じやすい組み合わせになります。左が学生作品ですが、白いフィルターをかけたような正方形の枠が面白い効果を出しています。右のリメイクは中央部分の四隅を白く抜くことでメリハリを出しました。
画像8 このように学生作品をリメイクする場合、「変化は最小限である」ことが大事です。限りなく自分の感覚に近い方が実感しやすいからか、学生らにとって強いインパクトがあるようです。「ちょっとしたことでこんなに変わるんだ」ということを知ると「選択肢が増える」ことになります。試行錯誤することの必要性を理解してくれると嬉しいのですが・・・気持ちは届くでしょうか?

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