30_カラーイメージについて考える(1)〜色と言葉の心理的関係

画像1 前回までは「基礎造形における色彩」ということで、デザイン専門学校の授業でやる「色彩構成」をテーマにアップしました。今回は「色の持つ心理的効果」について。人によって色の嗜好は異なりますが、色の持つ普遍的なイメージは存在します。専門学校や職業訓練校の授業や企業セミナーで行った課題を元に「色と言葉の関係から見えるイメージ」を軽く紐解いていこうと思います。
画像2 まずテーマを伝えます。この時のテーマは「職業のカラーイメージ」です。四畳半の畳敷きのような画面にカラーカード、もしくはPCの場合はグラフィックソフトで5色配色をします。そしてキーワードを記し、「明るさ」「親近感」「華やかさ」「重厚感」「強さ」についてのイメージを評価した数値をペンタグラフに記入してグラフを完成させます。
画像3 これは「小学生」のイメージの例です。たくさんのサンプルの中で比較的よくあるイメージを3例チョイスしました。小学生のイメージは「明るさ」「親近感」「華やかさ」の数値が高く、ペンタグラフは右側に偏った形になる傾向がありました。
画像4 それに対してこれは「政治家」のイメージの例です。これもたくさんのサンプルにおいて比較的よくある「政治家のイメージ」の配色パターンです。「重厚感」「強さ」の数値の高さが目立ち、先程の「小学生」とは逆に左側に偏った形になる傾向がありました。
画像5 これは「銀行員」のイメージの例です。同じように多くのサンプルからよくあるパターンを3つ選びました。「政治家」と同じく「重厚感」の数値が高いので左に偏り気味のペンタグラフになります。しかし、「政治家」と違うところは「強さ」より「親近感」や「明るさ」を期待されているような雰囲気もあるということです。
画像6 他の「銀行員」のカラーイメージも並べてみました。おそらく多くの方がお気づきになったかと思いますが「青系」が必ず入っているという特徴があります。よく言われる「青」の持つイメージには「冷静」「信頼」「誠実」といった言葉が挙げられます。なるほど「銀行員」の方に対する期待が無意識にカラーイメージとして表れているということですね。授業内で得たカラーイメージのデータは過去10年ほどの間に多くのサンプルストックがあり、企業様のセミナーなどでも有効利用しています。借り物拾い物のデータではないので根拠と信憑性がありますよ♪

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