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変わらないこと、変わっていくこと

洗濯物が、強い風になびく朝。

空気は温かく、半袖でもいいくらいの陽気です。

親戚のおばさんが88歳の誕生日を迎えるということで、家までお祝いにいきました。
そこは大学生の頃に住んでいた街で、その駅におりるのはなんと13年ぶり。

入学してはじめて一人暮らしになり、手伝いにきてくれていた母が実家に帰ってしまった夜、一人で布団から見上げる天井の高さに淋しさを感じたのを今でも思い出します。
次の朝、軽快な音楽をならしてやってきたごみ収集車のことも。


暮らしていたアパートを見てみようと、すこし遠回りしてみました。

足繁く通ったパン屋さん、スーパーマーケット、みたらし団子が50円(!)のだんご屋さん……。
懐かしいな。変わらずにあるものを見ると胸がジーンとするんだ。
青い空が余計に気持ちを高ぶらせます。

ダイエットのために通ったボクシングジム。
会長に、役者よりボクサーになれと言われたこと……も思い出しましたが、ボクシングジムはなくなっていました。
会長、元気にしてるかしら。

働きはじめて引っ越して、それ以来の街。でも、道も忘れないもので、おばさんの家にも迷わずに行けました。

ゆっくり二人で会うのはひさしぶりだったので、おしゃべりが尽きません。
おばさんの口からは今は亡き人々の話がたくさん飛び出し、なんだか不思議な気持ちに。
私がまだこの世に存在しない時、おばさんが若かったときは私のおばあちゃんたちも若かったんですよね。
当たり前だけど当たり前じゃない。
繋がっているから今がある。
本当にありがたいことです。

帰り際には、裏庭の農家さんちの里芋、さつまいも、おばさんの好きなバームクーヘン、お麩、台湾土産の烏龍茶、和歌山のあまなつ……持っていったプレゼント以上のお土産をいただいたりして。

そして、家から曲がり角まで約50m ほどの道を、私が曲がるまでずっと手を振ってくれたおばさん。
最後に手を振りかえして前をみたとき、音楽をならしてやってくるごみ収集車が。


涙が出そうになりました。

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