幕が上がる 【自分研究所】
日差しは強いのに、肌に触れる風の中に秋を感じる。
昔、好きだった人の名前に【秋】という字が入っていた時、「一番好きな季節は秋です」なんて乙女だったけど、本当は夏が好きだって気づいた。
大人になって、好きなものがはっきりしてきたように思う。
焦げるように暑い日、
はふはふ汗をふきながら歩くのもいい。
カフェに逃げ込んで冷たいデザート食べるのも、
海に沈む太陽を見ながらバーベキューするのもHAPPY。
夜なのにいつまでも明るいから、近所の公園でおしゃべりするし、
昼間っからビール飲んじゃう?みたいなのも楽しい。
冷房の効いた部屋に入ってきた人が「涼しい~」って目を細めて、そこにいた人たちで、今日も暑いよね~って、クーラー最高~!って笑ったり、
街中でばったり会った幼馴染と、「久しぶりなのに汗だくで恥ずかしい~」なんて笑いあったりする。
暑い日、私たちは笑っている。
そんな季節が大好き。
別れたくないよ。
どうしていっちゃうの?
私が必死に引き留めても、ナツオは足を止めない。
また、会える?
会えるさ!
きっとだよ!
大好きだから泣かないよ。
もっと綺麗になってビックリさせるんだ。
夏の終わりに、私は自分研究を極める。