第33巻 高野山

第33巻 「高野山」
佐和骭、 田村髀ニ著 1963年刊行

高野山が弘法大師空海の開いた、真言密教の道場であることは、誰もが知るとこですが、写真で見る山内の様子や、門前町、修行者の姿はそのまま日本人の精神生活の歴史を辿る旅であると感じました。

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仏道の世界への入り口となる総門。ではありますが、北にケーブルカーの駅、南に竜神温泉への道、西は自動車道路からの道、と団体さんがバスを連ねて参詣に来る高度成長期の大寺院の例にもれず、やはり俗化は方便というところです。

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山の根本をなす本堂の大日如来像は、光背の大きさだけでも威容を誇っています。近くでお参りしてみたいものです。

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大勢の参詣者で賑わっていますが、真言宗寺院では、檀家一同と住職が年一回高野山へ旅行する会もあります。善男善女を運ぶ馬車が珍しいですが、今はどうなっているのでしょう。

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高野山は、仏像その他の仏教美術の宝庫でもあります。真言宗は有力公家や武家の信仰を集めていたため、数々の名品が寄進され、現在でも博物館や美術館に出張展示もされています。
我が家のお寺も真言宗ですが、数年に一度、仏像や曼荼羅の寄進があります。

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コンパクトで持ち運びに便利そうな仏様です。旅先でも勤行を欠かさぬため、このような小さな仏様を持ち歩いたのでしょう。

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