第42巻 万葉のふるさと
第42巻 「万葉のふるさと」
高田 昇著 1963年刊行
執筆当時兵庫県の高校教諭であった著者のライフワークとしての万葉の旅。人々の人生の哀歓を綴った万葉集は、奈良時代の風土に根ざした歌であり、風土を通してその時代の実感に触れることの意義を教えられます。
Googleマップで見て現在と比較してみると、この時代の風景はそれでもまだ今よりは、かなり奈良時代に近いのではないでしょうか。
万葉の時代にも豪族たちの政争や宗教の対立による凄惨な出来事がありました。大化の改新と言われる「乙巳の変」により殺害された蘇我入鹿の首塚は後の時代を見守るように佇んでいます。
有名な石舞台古墳など、コンクリートのなかった時代に生活を支えた石造物は時を超えて今に残っているものも多く、当時をしのぶよすがとなります。