こんにちは、Colorbathの櫻井です。
今回から、Colorbathのプロジェクトにまつわるメンバーの思い、人生を深掘りする記事を掲載していきます。
第1回目は、ソーラーボイラープロジェクト担当の、べっきーさんこと池邉佳織さん。
看護師を志した理由から、マラウイでの活動経験、「自分を見つめ直す」時期に考えたこと、Colorbathでの活動にかける思いまで...たっぷり語っていただきました。
「自分の人生だからやりたいことをやろう」
池邉さんが看護師を志したのは、高校生のとき。恋愛で振られたことをきっかけに、生きる意味を考え直していた時期でした。
看護師の資格を取得後、消化器外科で働き始めた池邉さん。がんの患者さんが多い場所で、亡くなる方もいたそうです。そんな中、ある患者さんからかけられた言葉に、心を動かされました。
池邉さんは、自分の行動のエネルギーについて、こう語りました。
動きたい!と思った時は、自分の内側でも外側でも、その準備が整っているということ。だから、安心して一歩を踏み出していい。温かくも力強いメッセージが、心に響きました。
「なぜそれをやるのか」
3年間看護師として働いた後、「英語を学び海外生活に慣れるために」オーストラリアに渡航。
刺激に満ちた海外生活から帰国し、池邉さんは「JICA青年海外協力隊」に応募しました。医療に貢献したいという思いに加えて、ヒップホップやレゲエなどの黒人文化にも興味があったそう。アフリカ行きへ強い意志がありました。
マラウイでは、ヘルスセンターでの乳幼児健診と栄養失調児の治療プログラム、そして学校保健に取り組みました。
ヘルスセンターでの活動では、健診や予防接種がきちんと行われるために、スタッフに「なぜそれをやるのか」を伝え、指導を行ったそうです。また
、お母さんたちに対しても、栄養状態改善のためのレクチャーを実施しました。
学校保健分野での活動では、HIVの予防・マラリアの予防・栄養知識・日本紹介の4つをテーマに、色々な学校を回って授業を行うというものでした。
これらは、もちろん医療活動でもありますが、「人を育てる」という分野でもあります。コミュニケーションの難しさを感じた場面もあったそうです。
「本当に同じ世界なの?」
2年半の活動を終え、日本に帰国した池邉さん。その時の気持ちについて、こう語ります。
マラウイでさまざまな問題を目にした自分と、便利な生活にすぐに馴染めてしまう自分。そのギャップに、戸惑いを覚えたそうです。
そして、知っているなら行動を起こしたいと、思うようになります。そんな時に声をかけてくれたのが、前職(NPO法人ISAPH)のメンバーだったそうです。マラウイ滞在中に住んでいたマニャムラという地域でプロジェクトをやると聞き、池邉さんは再びの渡航を決意します。
行動しなければという責任感に加えて、マラウイでの色鮮やかな生活の記憶に背中を押され、帰国後わずか7ヶ月で、再び現地に戻りました。
2回目の渡航では、妊婦さんに対する支援と、栄養改善に取り組んだそうです。より現地の生活に根ざした活動ができたことに、手応えがあったと語ってくれました。
「1年ぐらいは自分が何をしたいのか、わからなかった」
合計5年間の活動を終え、日本に帰国。
池邉さんは、「自分が本当に何をしたいのか」見つめ直す時間を過ごしました。
足が向いたのは、やはり大好きな海。
海が好きな気持ち、アフリカでの活動したいという思い、環境問題に対する興味...。気持ちが揺れ動く中、ダイビングショップのオーナーに一緒に働くことを誘われたそうです。
やっぱり、マラウイに行きたい。自分と向き合い、一つ一つ選択する中で、あらためて自分の気持ちに気づいた池邉さん。その思いを、友人二人に宣言します。そのうちの一人が、協力隊をきっかけに知り合った、Colorbathの椎木睦美さんでした。
Colorbathがソーラーボイラーをマラウイに設置した2019年、ちょうど2回目の渡航で現地で活動していた池邉さん。「命と地球を守る」ソーラーボイラープロジェクトに共感していたこともあり、Colorbathに参画することが決まりました。
地元で家族や愛猫たちとの時間を楽しみながら、「やりたいこと」であるダイビングや環境問題、マラウイでの活動に取り組む。
充実した生活を送る池邉さんの笑顔が、とても印象的でした。
「橋渡しとなることで信頼感ややる気につなげられればいいな」
ソーラーボイラープロジェクトにおいて、池邉さんがまず取り組んだのは、「人脈作り」。
2021年11月には、Colorbathメンバーとしてマラウイに渡航。池邉さんにとっては3回目ですが、さらに視野が広がる経験があったそうです。
そして、もう一つ発見がありました。
2022年1月には、ソーラーボイラーを開発した方を訪ねるため、姫路へ。
「Colorbathは、人生の中の『わくわくパート』」
今後のソーラーボイラープロジェクトについて、池邉さんは様々な可能性を思い描いています。
そして、ソーラーボイラーを通して伝えていきたいことについては、こう話してくれました。
これまでも、 中高生とマラウイについて対話したり、バーチャルツアーで日本の子どもたちがマラウイを知るきっかけを作ったりと、「伝える」活動に取り組んできた池邉さん。
真っ直ぐに「やりたいこと」に向き合うその姿勢は、これからもたくさんの人の心を動かしていくと思います。
最後に、池邉さんの人生にとって、Colorbathとはどんな存在か、聞いてみました。
編集後記
今回、池邉さんの原点から、マラウイでの経験、ソーラーボイラープロジェクトにかける思いまで、じっくりとインタビューさせていただきました。
温かい人柄で、いつもColorbathメンバーの心を照らしてくれている池邉さん。その背景には、マラウイの人々の生活や医療と真摯に向き合った日々と、自身の人生や考え方にも丁寧に向き合う姿勢がありました。
「自分の人生だからやりたいことをやろう」という前向きな力強さに、私も心から励まされました。
ソーラーボイラープロジェクトも、池邉さんの人生も、これからどんどんカラフルになっていくことと思います。
その様子をみなさんにお届けできるよう、私も頑張っていきます!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回のnoteでお会いしましょう!