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先輩に聞く!NPO法人Colorbathのインターンってどんな感じ? vol.1
「想いをカタチに、未来をつむぐ」を合言葉に、Colorbathでは2022年度インターンシップの募集を開始しました。
活動の内容は「教育」「ソーシャルビジネス」「広報/マーケティング」の3部門に分かれていますが、一人一人の「やりたいこと」にも丁寧に向き合い、私たちも一緒に成長していきたいと思っています。
これに合わせてnoteでは、これまでのインターン経験者の方々にお話を伺うインタビュー企画を連載していく予定です。
今回インタビューさせていただいたのは、福本朱理さん。
ネパールで1年間「持続可能なコーヒープロジェクト」の基盤作りに携わり、帰国後はColorbathのSNS運用を担われました。
Colorbathと出会うきっかけから、具体的な活動内容、インターン生活を通して学んだことなどについて、たっぷりと語っていただきました。
福本朱理さん
伊豆出身。東京農業大学卒。e-Education国内インターン生として活動後、Colorbathインターンとしてネパールに1年間留学、コーヒー事業に携わる。 また、ColorbathのSNS発信も担当した。現在は、人事向けサービスの営業職。海、お酒、食が好き。
出発地点は、「大学で何が身につくのだろう」という不安
「Colorbathに入りたいと思って、Colorbathを見つけたわけではなかったんです。」
インターンを始めたきっかけをお聞きしたところ、こんな言葉が返ってきました。
福本さんにとって、「自分にできることを見つけたい」という思いを地道に行動に移し続けた先にあったのが、Colorbathだったのだそうです。
大学に入学してすぐ、このまま4年間過ごして、自分に何が身につくんだろうと思いました。
理数科の高校に通っていたので、同級生はみんな医学部や理工学部などの、国家資格や職業スキルを身につけることができる学部に進み、将来どんな仕事に就くのかイメージがつく環境でした。
一方の私は、自ら関心を持っていた農業を学べる学部に進学したとはいえ、資格やスキルを得ることができるわけではない。そのことに対して、1年生ながらに不安を感じていたんだと思います。
その思いをきっかけに、学生生活とは違う軸で、何か活動してみたいと考えた福本さん。
食べ物を十分に得られないことで亡くなってしまう飢餓の問題に関心を持ち、実際に途上国の現場に足を運ぶ方法を探していました。そこで見つけたのが、バングラデシュに大学生を派遣し、課題発見から解決策の実践までの活動を行う「GCMP(Global Change Makers Project)」という団体でした。
過去の実績に栄養改善や農業に関わるものがあったことで参加を決めたものの、現地でテロが発生したこともあり、バングラデシュ行きは叶わなかったそうです。
しかし、GCMPの代表からe-Educationという団体を紹介され、国内インターンとしての活動を開始します。e-Educationは途上国における教育の向上に向けて取り組んでおり、ここで福本さんは、イベントの企画やFacebookなどのSNS運営に携わりました。
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そして、大学1年生の春休みに、e-Education主催のネパールフィールドワークに参加。現地でコーディネーターを務めていた、現在のColorbath代表・吉川雄介さんと出会いました。
吉川さんと話す中で、私の「農業に関することをやりたい」という思いを伝えたり、吉川さんからもネパールで農業のプロジェクトを実施しようと考えてることをお聞きしたりする機会がありました。
そこで私は、家族も大切にしながら仕事もバリバリこなす吉川さん生き方に惚れ込んで、「私もこの人のような生き方がしてみたい。この人と一緒に仕事をしたい。」と思うようになったんです。
責任感を持って動き続けたネパールでの活動
フィールドワークから帰国した後も、1年間の「修行期間」としてe-Educationでのインターンを続けた福本さん。そしてついに、ネパールでの本格的な活動に向けて旅立ちます。現地滞在中の福本さんをサポートしたのが、Colorbathでした。
当時のColorbathは始動したばかりで、インターンの募集も出していませんでした。でも、ネパールに行くときにやはり頼りにするのは、吉川さんや椎木さん、Colorbathとつながりがあるネパールの人たち。自分がインターン生だという自覚はなかったけれど、さまざまなサポートをもらいつつ、1年間活動を行ったという形です。
ネパールでは、主に「持続可能なコーヒープロジェクト」に関する活動を行いました。
高地に畑があり、また朝と夜の寒暖差が激しいネパールの特性を生かしてコーヒーを栽培し、農家さんの収入向上をサポートするプロジェクトです。
2021年にはオンラインストア「Himalayan Luxury Beans」がオープンし、多くの方々ににコーヒーをお届けしています。
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しかし、福本さんがネパールに渡航した当時のプロジェクトは、まだまだ黎明期。
当時のプロジェクトは、「やりましょう」ということだけが決まっている状態。
私の前にネパールで活動していたインターン生の提案や熱意もあり、Colorbathとネパール側の企業、畑の持ち主の三者の間で合意は取れていて、これから人やお金を集めたり、実行計画を立てたり、コーヒーの栽培を始めたりと、やることが山積みでした。
実際にコーヒーを育てる村に行くには、首都のカトマンズからバスで5〜6時間かけなくてはいけなかったので、週末に行って、現地の人と一緒に草刈りをして、山を畑にするために動いていました。そして、カトマンズにいる間はネット環境があるので、助成金の申請書類を作ったり、ミーティングを実施したりしていました。
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忙しい活動と並行して、福本さん自身が企画・運営するイベントも行っていました。
一つは農業フィールドワーク。日本で農業に興味がある人を募って、私が現地のアテンド役になり、農業大学や肥料・農薬の会社、村や卸売市場を回って、ネパールという国の農業を全体的にみていただくという内容でした。私自身がフィールドワークをきっかけにネパールに興味を持ったので、そういう機会を作れればいいなという思いがありました。
「ダルバードピクニック」も行いました。田舎の暮らしを知らないネパールの都会の子どもたちを連れて、日帰りで村に行って野菜の種を植えたり、ご飯を作って食べたりして、生活体験をしてもらうイベントです。
これらのイベントづくりは、Colorbathからのサポートは受けつつ、企画・運営はほとんど私1人で担っていました。
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自分のやりたいことを見つけ、形にしていくことは一見とてもハードルが高いようにも思えますが、福本さんの活動からは、自分の周りにある環境と「実現してみたいこと」を丁寧に結びつけ、責任を持って実行に移し続ける着実さと、力強さが感じられました。
コーヒープロジェクトの行く末を案じ、「できること」を探す
1年間の活動を終えて帰国した後、Colorbathとの関わり方を考え、悩んだ末に一度離れることにしたといいます。
ネパールでやりたいことはやりきったし、この延長線上で減速して関わるのは、私にとってもColorbathにとっても良くないんじゃないかなと思いました。また、ネパールでは言語の壁があってできないこともあったので、もっと日本の農業とも関わりを持ちたいとも考えていて、就職活動に専念するためにも、一度Colorbathを離れることにしました。
大学での学び、国内やネパールでのインターン活動、そして自分のキャリア。メリハリを持ってひとつひとつの決断に向き合ってきた福本さん。
就職活動を終えて再び、今度は「情報発信」に関わる形で、Colorbathでの活動を開始します。
自分が0から携わったコーヒープロジェクトの行く末を案じる気持ちが、まずありました。当時はコーヒープロジェクトにメインで携わる人もいない中、消えてしまうのかなという不安も正直あったんです。「コーヒープロジェクトのために何かできることをしたい」と思いました。
今でこそ、ネパールコーヒーは商品化もされて、日本のイベントでブースを出展するなどの関わり方も可能ですが、当時はまだ「売るコーヒーがない」状態。日本からできることがわからなかったので、それよりも、今後の販売を見通して、これまでのプロジェクトの過程を発信する方がインパクトがあると思って、まずはFacebookをちゃんと動かしていこうと思いました。
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福本さんが基盤を作ったColorbathの情報発信は、現在「ミチづくり」として、教育事業の「ヒトづくり」、ソーシャルビジネス事業の「コトづくり」と並んで、Colorbathの「3つの軸」の一つになっています。
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この時期に生まれた、実践と同様に発信も大切であるという意識や、スムーズにSNS運営を行うための仕組みやコミュニケーションは、形や担当者を少しずつ変えながらも、現在まで継続されています。
福本さんからのバトンは、今のColorbathにも、しっかりと受け継がれていることを実感しました。
「Colorbathで活躍する」意志
最後に、Colorbathのインターンシップの特色や、これからインターンに応募する学生への思いについてお聞きしました。
採用業界にいると様々なインターンシップを目にしますが、一般企業のインターンとColorbathの境目は、採用や、学生の適性を見極めるというところに目的を置いていないことだと思います。
むしろ、「Colorbathで活躍する」ことが求められるので、自分の責任で何かを考えて行動するリーダーシップやマネジメント力がすごく身についたし、それは社会人になっても役立っています。
Colorbathが成長させてくれるのではなく、「使い倒す」くらいの心構えの方がいいのかもしれないですね。
「就活のためのインターンシップ」という考え方は一旦捨てて、それよりも「やりたい」意志があることが大事だと思っています。やりたい「こと」でなくても、「自分の中の何かを変えたい」でもいいので、「これを成し遂げられたらハッピー」というものを持っていてほしいなと思います。
Colorbathのインターンシッププログラムは、成長の道筋を全て提示し、導いてくれるものではありません。しかし、だからこそ「インターン生だから」という偏見抜きに一人一人と向き合い、それぞれの「やりたい」を全力で応援しあうことができる環境です。
今回、福本さんのお話をお聞きする中で、インターンとしての生活を送る中でぶつかる壁、出会い、達成感などのひとつひとつに、Colorbathらしさが溢れていると感じました。
応募される方々は、ぜひ気負いせず、飛び込んでいただければいいなと思います。皆さんの「やりたい気持ち」、ぜひお聞かせください!
(聞き手・文:櫻井かおり)
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