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強い女

『かもめ食堂』に代表される小林聡美さん、もたいまさこさんのシリーズは非常に人気が高い。
私も大好きで、かもめの他にも『めがね』『パンとスープとネコ日和』がお気に入り。
最近はparaviで『ペンションメッツァ』が見られることに気がついて試聴したところ、
こちらもとても良かった。
森の中での生活は憧れ以外の何ものでもない。
(現実は色々と厳しいだろうけれど…)

これらのシリーズは「癒し系」と形容されがちだが、もちろんそれだけではない。
「映像や音楽が美しい」「俳優の演技が自然」「ご飯が美味しそう」
そんな要素はあるにしても、描かれているのは一貫して「強い女」だ。
(『めがね』はちょっと種類が違うかも)

自分をしっかり持って周りに流されずに生きる
自分のやりたいことをやる

これがとても難しいことをアラフォーの私は実感している。
だからこそ主人公の「強さ」に憧れ、自己投影できるファンタジーとしての価値の高さをこれらの作品に感じている。

難しいことを考えず、自分の好きなことをやりたいようにやってみたい

でも現実の自分は全く真逆。
「ちょっと人と違う」と思われたいというささやかな願望を抱きつつ、
保守的な企業で働き蟻として精を出す平凡な中年会社員だ。
眉間の皺は年々濃く刻まれ、愛想笑いでも疲れが隠しきれなくなっている。
しがみつくところが会社しかない弱い人間だ。

私は一度会社を離れた方が良いのか、このままでいるべきなのか。
ずっと考え続けたまま時間が過ぎている。
希望の部署へ行ける人事制度を活用したりして自分なりにできることをしてみたつもりだけど、やっぱり年々苦しくなる一方で出口は見えない。

自分の気持ちを整理して、これからの人生を考える時が来ている気がする。
他者ではなく、自分が幸せを感じる基準を明確にしなくては。
と、やっぱり難しいことを考えてしまうのだった…。

強い女」にはまだまだ程遠い。

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