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【CoC】シナリオの構造【新クトゥルフ神話TRPG】

『新クトゥルフ神話TRPGルールブック(以下ルールブック)』を基準にケイオシアムやアーカム・メンバーズが想定しているシナリオの構造、書き方を探ります。


シナリオを作る第一歩

ルールブックに書いてあることをそのまま書くわけにはいかないので、いくつかのカテゴリに分けておおまかに説明します。くわしくはルールブックP.210を参照してください。

場所や出来事に注目して組み立てる

特定の年にあった祭りや事件をベースとして物語を組み立てるものです。実際には起きなかったifの歴史で物語を作るものもこの中に含まれると思います。

クリーチャー・カルトから作る

好きなクリーチャーをもとに物語を創造する方法です。クトゥルフ神話のクリーチャーはそれぞれが独特の特徴を持っているのでこれらを事件に絡めましょう。
カルト(宗教)を作って物語を作る場合、ほとんどの場合クトゥルフ神話のクリーチャーを崇拝するカルトになると思います。場合によっては不快な歴史的テーマに触れることになるかもしれないので気をつけましょう。カルトの場合はクリーチャーを相手にする場合と比べて、武力での解決が可能な場合が多いでしょう。

オマージュ・リスペクト作品

何らかの作品(映画や小説)のあらすじをヒントに物語を作る方法です。現代のインターネットではいわゆる"パクり"が個人によって厳しく取り締まられる傾向があるので、構造だけ抜き出して再構成する、NPCの性別を逆転させてそれに応じて舞台を変更する、敵と味方の立場を入れ替えるなどの一工夫が必要でしょう。

シナリオの構造・構成

新版からシナリオの構造は直線シナリオ・非線形シナリオ・キャンペーンに区別されています。それぞれの特徴を分析していきましょう。

直線シナリオ

おそらく、世の中のほとんどのシナリオは直線シナリオです。
ルールブックでは三幕構成で作られることが想定されているようです。
探索者が事件に関わる導入部、調査を行い真相に近づいていく探索パート、そして真相が明らかになる結末とシーンが続きます。
一つのシーンの最後に次のシーンにつながる手がかりを出すことで必ず結末へと到達することができます。

非線形シナリオ

この形式のシナリオでは導入シーンの後、次にどのシーンが始まるのかは決まっておらず、シナリオがプレイされる度に違った順番でシーンに遭遇することになるでしょう。
キーパーは非線形シナリオの舞台となる町や島、大陸(もしかしたら惑星一つ)の背景情報を用意しましょう。そこに住む人達はそれぞれの人間関係で悩んでいたり、ちいさな事件に巻き込まれていたりするかもしれません。もしかしたらその中には探索者の目的となる事柄もふくまれているかもしれません。
気をつけなくてはいけないのは、絶対に「結末」を書いてはいけないことです。非線形のシナリオがどのような物語を提供してくれるのかは、プレイヤーの行動とキーパーの即興による対応によって変わってきます。共同作業の"セッション"によって初めて完成するシナリオと言えるでしょう。

キャンペーン

いくつかの物語によって構成された物語のシリーズです。
真相へとたどり着くまでのシーンが2つか3つ程度の直線シナリオ、あるいは小規模の非線形シナリオを数本考え、それらをつなげる中心となる謎を用意します。それぞれのシナリオに中心となる謎へ迫る情報を配置することで、探索者がだんだんと事件の真相に迫る様子を演出しましょう。そして謎の中心にたどり着いたときがキャンペーンのクライマックスとなります。

最後に……

シナリオを書くのは大変なことだと思われがちですが、最初は自分だけが分かるメモ書きの状態まで仕上げられれば十分です。
皆さんのオリジナルシナリオが完成した時はぜひ、プレイヤーとして遊ばせてください。

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