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【レーウェンフックの顕微鏡】レーウェンフックは「忘れられた科学者」か?

「本当に忘れられた人は再発見もされない」という逆説はさておき、レーウェンフックは21世紀にフェルメールと結びつけて「再発見」されるまで「わすれられた」存在だったのだろうか?
インターネットでかなりの情報が手に入る昨今はともかく、紙の文献の時代にはレーウェンフックはどれくらい知られていたのだろう?
(イギリスのロイヤルソサイエティのHPでは、レーウェンフックの自筆の手紙(観察記録)の画像が公開されている。デジタルデータベースが普及した現在では珍しくもないが、20世紀には専門の研究者ですら画質の悪いマイクロフィルムの複写でしか見ることができなかった情報だ)
https://makingscience.royalsociety.org/search?q=Leeuwenhoek+letter

同時代の科学者の中にはニュートンやホイヘンス、ライプニッツといった超有名人からなんとなく聞いたことがある人物まで数多くの有名人がいる。それに比べるとレーウェンフックの名はややマイナーかもしれない。
しかし、レーウェンフックが科学史の中で重要な人物だと認識され続けていたことは、ロイヤルソサイエティに自筆の手紙(観察記録)が保存されていたこと、
そして残念なことにレーウェンフックが遺贈した顕微鏡が19世紀に紛失されていることがわかったことなどから明らかだろう。

一般への認知度はどうだろう?
私がレーウェンフックについての興味をふたたびかきたてられたロー ラ・J・スナイダーの『フェルメールと天才科学者』(翻訳2019年)以外にも、日本語訳されていまでもAmazonで入手できる研究書がある。

『フェルメールと天才科学者』


ひとつはクリフォード ドーベルClifford Dobellの『レーベンフックの手紙』(1932年:翻訳2003年)

『レーベンフックの手紙』


もうひとつはブライアン J.フォードの『シングル・レンズ 単式顕微鏡の歴史』(翻訳1986年)だ、

『シングル・レンズ 単式顕微鏡の歴史』


くわしい内容の紹介は今後にゆずるが、これらの刊行年(翻訳出版年)をみても、レーウェンフックが継続的に研究対象になっていたことがうかがわれると言えるのではないだろうか?

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