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ウラベメグミ 『Enerzine』(長崎県東彼杵郡波佐見町)

長崎県東彼杵郡波佐見町は、長崎でも唯一海に面していない町。しかし海だけが魅力ではない。有田焼に並ぶこの町の『波佐見焼』(陶磁器)はファッションブランド『シアター・プロダクツ』やセレクトショップ『中川政七商店』によるコラボレーション(リノベーション)によって、知る人ぞ知る伝統工芸の町へと進化している。何もないとは言わせない。

土の記憶、火の記憶、手の記憶。

焼き窯のある町を訪れると不思議な郷愁を覚える。『いにしえの力』英語で言えば『トラディッショナルなエネルギー』

ウラベメグミによる ZINE『Enerzine』は、土さえも生命のリズムに取り込もうとしてきたかつての表現者たちのエネルギーを借り、純粋に『筆』に宿したかのような自身の絵画作品を、季節の巡り、言葉と共にまとめた1冊。絵だけではなく言葉(メッセージ)の要素を与えることで『図録』とは一線を画しているところに ZINE 愛=編集の視点を感じる。

シンプルで力強い動物と植物の表現がすばらしい。特に雪山の表現がすばらしい。フリーダ・カーロのようなプリミティブな狂気(土と火の記憶かな)がときどき垣間見える。気のせいかも。

ZINE という枠からもっともっとわがままにはみ出た彼女の絵が観てみたい。彼女の正のエネルギーも負のエネルギーもぜんぶ含めて爆発している絵が観てみたい。そういう原画が見たい。納得の行かない陶芸品を、ガシャーンと床に叩きつけるような、そんな瞬間を絵を通じて観てみたいなあと思う次第でした。勝手な意見すみません。

ー written by 加藤 淳也(PARK GALLERY)

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エントリー 長崎

ウラべメグミ / アーティスト

海とくじらが好き。

2011年、原宿デザインフェスタギャラリーにて初個展。同年、福岡で開催された「SUNSET LIVE 2011」のポスターに採用される。2012年より都内で行われるイベントやフェスにてライブペインターとして出演し、活動の幅を広げる。

2014年、高円寺ギャラリー二軒目にて三年ぶりの個展「becchinと時々くじら 展」を開催。2015年、中野 f にてお芝居、音楽、アートの共同企画で個展「愛love展」を開催。その他、パンフレットやロゴ、ウェルカムボード、挿絵等の制作依頼も受けてます。

コミュニケーションの場を大切にし、ハッピーな空間創りとパワフルに活動することをモットーとしている。

ずっと気になっていて、作りたいと思っていた ZINE 。長崎の ZINE イベント、チョージンにお誘いいただき、やっと作れました(笑)。普段モチーフにしてる人やモノたちはとてもエネルギッシュで、そんなエネルギーを私も誰かに伝えてたい、と思いこの ZINE にしました。手に取ってくれた人の生活の活力になる一冊になってくれたらな、と思ってます。ー ウラべメグミ

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