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凸 works 『GM / ZINE no.1 2018 / August』 (徳島県)

今回、47都道府県の各地から100冊以上の ZINE が集まった COLLECTIVE。100冊の ZINE があれば100通りの梱包があると思いきやそうでもない。

一番多いのは『レターパックプラス(510円)』なんといっても番号による追跡機能があるのと、対面での(署名による)受け渡しが必須になるので郵便事故などがないので、取り扱い側も安心。送る側もポスト投函で済むので楽。対面の受け渡しのないレターパックライトや定形外郵便も、もちろんよほどのことがない限り届くけれど、過去の例で言うと、

・無理やりポストに詰め込まれて折れてる
・ポストが屋外がゆえ雨で濡れる
・隣の住所に投函されてる
・届かなかった時に責任取れない

レターパックプラスとほぼ同等の宅急便コンパクトもいいかなと思うけれども、町中のポストの数を考えるとレターパックがオススメ。

作品数が多かったり、判型が大きかったりするとレターパックでは収まらず、宅急便で送られてくることもあります。そして宅急便の際(段ボールでの発送の際)には ZINE と段ボールの隙間の緩衝材として『新聞』が挟まれていることがあります。この『新聞』が今回の COLLECTIVE ではおもしろくて、それぞれの地域の新聞がくしゃくしゃと包まれてて、開けた瞬間に愛しくなります(7月31日付の四国新聞が手元に)。

徳島からエントリーしてくれた 凸 works『GM / ZINE no.1 2018 / August』も新聞がくしゃくしゃっと。段ボールを開けるとなんとなく海の匂いがしたのはこの ZINE の『青』による錯覚か。もしくはぼくの『徳島の海』の記憶か(徳島の『阿波踊り』に涙した記憶があるけれどまたそれは別の機会で)。

この GM / ZINE は今回集まった ZINE の中でも際立って荒削りで、異彩を放っている。紙もしわくちゃだし製本も粗い。こういうのこそ初期衝動だよね!ZINE だよね! とも言えるかもしれないけれど、それはあくまで初見の感想かなと思う。つまりパッと見て判断したひとの感想と言える。ぼくにはもう少し深い意味を感じる。ここではもう少し深く潜ってみる。

GM / ZINE は彼がライフワーク的に描き続けている絵のモチーフとも言えるであろう(ガンダムの)ジムの顔 凸 がジムの顔としてではなくそれぞれの物語にただの風景として絡み合うことで奥深さ(難解さ)を見せる。次に技法。紙の『ブルー』と波打った紙の『しわ』が『海』を感じさせてさらに難解さを見せる。なぜ彼は紙をくしゃくしゃにしたのか。それを読み取るのに必死な東京のデザイナーがひとり。さらに 凹 凸 に男女の性的なモチーフを見つけるとこれはさらに難解となる。初期衝動だけで作られたユースフルな ZINE と思って向き合うととんでもない鳴門(なると)のような渦が待ち受けている。さらに潜って行く。

ブルーの中に隠れたくじらとか、ビルの隙間とか、男性とも女性とも言えない恋人たちの 凹 凸 のセックスじみた行為や、海のそこに沈んだ悲しみの愛と切り傷みたいな深い青の闇も、パロディ的に『ジム』に踏襲されてしまうのだろうか。そしてこの ZINE に描かれている『愛とは』と言ったら深読みのしすぎかどうか…本人に聞いてみたいところ。

特大号。

例えばこんなふうに特大に膨れ上がった読み手の妄想が、ZINE をゆたかなものにするのであれば、妄想ができる ZINE っていうのはひとつの価値として、あり方としていいと思う。

おわり。

ー Written by 加藤 淳也(PARK GALLERY)

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エントリー 徳島

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