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生成AIの現状と課題 by STUDIO DOG GK木之村美穂氏

これまでにコラボルトnoteで2回、取材記事を上げさせてもらった、Los Angeles在住クリエイティブディレクターの木之村美穂さんですが、
3回目の今回は、ますます動きの早い生成AI関連の気になるトピックを幾つか話していただきました。

SoraとSuno

先日発表されたOpenAISora
なんとプロンプトから映像ができるというもの。
これまでとはもう全くレベルが異なるのは、デモを見れば一目瞭然です。

まだ一般向けではないですが、年内にスタートできるのか、いま一番の話題、と美穂さん。

そして音楽生成AIで話題なのがSunoSuno AIだそう。
歌詞を入れてスタイルを指定すれば、ボーカルも入った楽曲ができてしまいます。

AIイケメンK-POP ミュージックビデオを作ってみた

上のMVは美穂さんが作ったサンプル映像。
K-POPアイドルが自分のためだけに歌ってくれるのです。

生成AIで作ったイケメンアイドル
音楽楽曲コンセプト、歌詞をChatGPTで作り出す
ChatGPTから作り出された歌詞とSuno AIで音楽を作っていく

この作業を何度もくり返して、
自分のイメージに合う楽曲を作っていくのです。

イケメンビジュアル、背景の都会の夜景、
モダンなインテリアの高層マンション、カップルが歩くストリート、
ガラスのハートが壊れて破片が飛び散る映像エフェクト、
AIですべて作っているそう。
さまざまな生成AI技術を使いイケメンビジュアルを作り出して、 映像として動く動作をつけていく。
途中のイケメンが歌詞に合わせて歌うリップシンクのシーンは、D-IDのリップシンクする技術を使い、最終的な映像編集やカラコレは、通常の映像編集をする時と同じで本人が映像編集ソフトで行っています。

最終的には音と映像とリップシンクの場所などをセレクトして編集し、仕上げているので、全てが完全に生成AIで作られているとは言えませんが、最新AI技術を使って自分なりに工夫すれば、ミュージックビデオも作れる時代になってきました。

美穂さん曰く、
話題の生成AIも、ともかく自分で使ってみないと実際のところはわからないとのこと。

こんなことが出来るようになってすごい!
クリエイターの仕事がとられてしまうのではないか!
などいろいろな声が挙がったり、
メディアではわりと生成AIに対するネガティブな声が大きく取り上げられる傾向にあるので、人間はもう生成AIに凌駕されてしまうのではないか、などと極端なことを言う人も出てきたりします。

でも実際のところどうなのか?本当に素晴らしいクオリティなのだろうか?発言するにも、まずは使ってみないと分からないのです。

上のMVも、作ってみたことで、美穂さんはいろいろなアイデアが生まれる、と言います。
例えば
イケメン作れる
→自分で簡単に好きなタイプのイケメンが作れるようになったら良いんじゃない?
→喋らせたり歌わせたり出来るので、励ましてくれたり囁いてくれたりしたら良いんじゃない?

ただし商用にするとなると、権利などのクリアしなければならないことが出てくるのが問題です。
商用で使用する場合は各自で使うソフトの規約などを、しっかりと読み込んで使ってください。

第29回AMDアワード'23優秀賞『PARCO HAPPY HOLIDAYS 2023』生成AI広告

前回記事でもご紹介した、美穂さんがクリエイティブディレクターとして制作したPARCOのホリデーシーズン広告。
『デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード』で、アニメ『推しの子』、新しい学校のリーダーズなどと並び、8作品・団体に入り<優秀賞>を受賞しました。

授賞理由
画像生成AIを活用して制作された、パルコのホリデーシーズン広告のグラフィックとムービー。モデル撮影は行わず、人物も背景もプロンプトから構成されている他、ナレーションや音楽もすべて生成AIを使って作成された。これまで国内外のトップクリエイターを発掘・起用した広告キャンペーンで実績を持つパルコが、最先端の“技術”を次のパートナーに起用したという点に大きなチャレンジを感じる。広告制作の現場において昨今、生成AIの活用が急速に進んでいる。しかし、現在は大量の広告を効率的に作る取り組みが主流であり、人とAIの共創で、クリエイティブの質を追求しようとする本事例には特筆すべきものがある。

https://www.amd.or.jp/award/29/works/29_award_07.html

「この生成AI広告が2023年の話題作と並んで評価されるのは嬉しいです」
と美穂さん。

2023年を振り返った時に10本の指に入る話題作となったこちらの作品、クリエイティブな姿勢が評価ポイントというのが嬉しいですね!
そこから早3ヶ月で、プロンプトから映像ができちゃうよ、というSoraが発表されるとは…。
凄まじいスピード感で進化を続ける生成AIの象徴的トピックでした。

おまけ(コラボルトより)

OpenAIのSoraについて、
なぜ空?なぜ日本語由来?って思いますよね。
ニューヨークタイムズによると
「無限の創造的可能性のアイデアを呼び起こす」という意味を込めて日本語の「空」から名付けられたそう。

OpenAI calls its new system Sora, after the Japanese word for sky. The team behind the technology, including the researchers Tim Brooks and Bill Peebles, chose the name because it “evokes the idea of limitless creative potential.”

https://www.nytimes.com/2024/02/15/technology/openai-sora-videos.html

で、他にも調べていたら、面白い記事を見つけました。

生成AIツールは必ずしも全てポジティブなサービスとは言えないけれど、
日本のイメージは良いので、

日本=平和で魅力的。日本=未来。こういうポジティブなイメージを全て、OpenAIは活用したいと考えている。

「OpenAIの研究者は日本オタク?」最新生成AI“Sora(ソラ)”と“日本語の幸福感” 鈴木綾

とのこと。
AI競争に遅れているにも関わらず、日本は意外な存在感を放っている、なぜならこういう理由で…
ロンドン在住のライター鈴木綾さんの考察がとても面白かったです。

木之村美穂さんプロフィール

クリエイティブディレクター
事業内容: 広告映像プロダクション 、AI x Fashion 企画デザインプロデュース、Web 3.0 企画ディレクション、海外クリエーターキャスティング、海外撮影プロデュース

Clubhouse web 3 コミュニティー「クリエイティブラウンジ」 
毎週土曜日 朝10時〜11時 
クリエイティブラウンジというルームを3年前から主催、
日本語で話をしてます

木之村美穂さんインスタグラム

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