生成AIのいま#5:木之村美穂さんに改めて聞く、生成AIのおもしろさとは?
自身も世界トップクラスの生成AI Filmmakerでありながら、
世界中のトップクリエイターをキュレーションしGenerative AI×ファッションのイベントNFFT『New Future AI Fashion Technology』のファウンダーとして、イベント全体を2022年から企画プロデュースしている木之村美穂さん。
LA在住なので物理的にもですが、グローバルな視野で生成AIの状況を見ています。
今回お聞きしたのは、
●改めて、生成AIのおもしろさについて
です。
●最新トピック:UKのアートフェアCLUSTER LONDONのジュエリー展示会にAI Fashion Creatorとして参加されたお話
もありますので、
最後までお付き合いください。
これまでに美穂さんの取材記事4本あります。ぜひご一読ください!
改めて、生成AIのおもしろさについて
再現性がない
例えば洋服をAIを使ってつくりたいクライアントに対して、生成AIで作ったデザインを見せるとします。
あるデザインを気に入ったが、この大きなリボンは外して、となった場合、、、
リボンだけを外したバージョンを作るのは難しいのです。
同じプロンプトを入れたとしても同じ画像が再生成されないという特徴があります。
なのでどうしてもリボンを外したい場合は、フォトショップを使って後処理で修正で消しますか?ということになる。
美穂さんのプロンプトを誰かが同じものを入れたとしても同じものは作れないのです。
人間が想像して作り出すものとはかけ離れた変なものが生まれることもある。
そのバグ的に作り出される偶然性も面白いのです。
生成AIも休憩入れないと飽きるらしいw
美穂さんだけでなく周りのAIクリエイターも共感するらしいのですが、
ずっとやり続けていると自分が希望するデザインとはかけ離れてあまり良いのが出なくなってきたりすると言うのです。
そういう時は1回休ませ作業をストップする。
そして何時間かしてまた始めると、何事もなかったかのようにちゃんと希望通りのデザインが生成され動き出すそう。
ちょっと人間っぽい。
プロンプトをひたすら入れればいい、というものでもなく、
足したり引いたりご機嫌を伺いながらAIと対話のように進めているようです。
英語はマスト、そしてコピーライターは有利かもしれない!?
ともかく生成AIに対峙するには微妙なニュアンスを言葉で表現できないといけません。
単純に単語を入れている訳ではない。
例えば「この服の色をピンクにしたい」の場合も、
自分のイメージするピンクに出させるには
「ビビッドピンクで、シルクのような艶のある〜〜〜〜」のように具体的に専門的なファッション用語を言語化できないといけないのです。
質感とか光の当たり方などのニュアンスを言葉で表現する、、、確かにプロフェッショナルスキルに加えて、言葉のセンスもとても重要そうです。
さらにそれを翻訳ソフトで英語化して、というよりは英語でダイレクトにプロンプトにできる方が良いに決まっています。
今後はアバターにリアルタイムで喋らせられる
前回の記事で紹介したように、2024年10月のビッグサイト合同展示会セミナーで登壇したAIアバターのmiomioちゃん。最初の挨拶部分はしっかりリップシンクした(音声と同期して口元が動く)映像でしたが、その後はポーズが動くmiomioムービーが投影されつつ、リップシンクは当然せず美穂さんが話していました。
が、HeyGenの登場で、これからはリアルタイムで喋らせることも可能になります。
しかも何語でもリアルタイムで話すそう。
もう凄すぎます…。
言語の壁、国境を飛び越える
生成AIに関して、日本のことだけ見ていたら全然遅れてしまっている、と美穂さんは言います。
美穂さん主催のイベントNFFTの一番の価値は、
どこの国のクリエイターかなんて関係なく、
世界中からイケてるクリエイターをピックアップして、Generative AI×ファッション×映像のオリジナル作品を創作させ集約している、というところです。
美穂さんは
海外と繋がった方が良い
ということをずっと言い続けているし、実践しているわけです。
そして最近は海外のAIフィルムイベントからも声が掛かるようになっているそう。
最新トピック:UKのアートフェアCLUSTERのジュエリー展示会にAI Fashion Creatorとして参加
イギリスのアートフェア「CLUSTER LONDON」。
最新展示会「CLUSTER CONTEMPORARY JEWELLERY 2024」で、新たにGenerative AIのセクションをつくるということで、
世界で活躍するAI Fashion Creator達がキャスティングされ、美穂さんにも声が掛かりました。
今回は特に普通のAIでビジュアルを作っているクリエイターではなく、より専門的な分野のファッション、ジュエリーなどのハイクオリティを作っているAI Film Makerがキャスティングされました。
(2024年12月13-18日開催なので終了しています)
https://www.cluster-london.com/
美穂さんの作品はこちら
お題は
ジュエリーやファッションデザインを生成AIでつくるということ。
上記の美穂さんのコメントにもある通り、
老舗のアートイベントにおいて生成AIクリエイティブのカテゴリが作られたということは、いまという時代を象徴するトピックなのでしょう。
またこの生成AIクリエイティブの世界で、キュレーションできるような人材は少なく、美穂さんは自身がクリエイターであることに加えて、グローバルキュレーションが出来るということでも希少なのですね。
2025年の予定
2/8-2/11 NFFT2025_DIG SHIBUYA
2025年2月に渋谷区共催のアートイベント“DIG SHIBUYA 2025”
にNFFT AI Fashion Movieとして参加します。
32名のAI Creator の作品+ファッションデザイナーとの『フィジタル』コラボを企画中とのこと。
詳細は1月中旬以降にプレスリリースを配信予定、NFFT Web / SNSをご確認ください。
2月中旬予定 NFFT FASHION×CAT×Movie イベント(企画中)
毎年開催している保護猫活動プロジェクトです。
詳細はNFFT Web / SNSより1月中旬以降に発表されます。お楽しみに!
春 NFFT Event
秋 NFFT Event
こちらももちろん期待できますね。
ということで、木之村美穂さんへの取材から、
”生成AIクリエイティブFilmのいま”が少しお伝えできていたら幸いです。
ここ数週間内の話だけでも、
OpenAIのSoraが一般提供スタート(米OpenAI12/9)
Googleも動画生成AI「Veo 2」を発表(米Google12/16)
こんなニュースが続いています。
2025年もきっといろいろな進化が起こるのだと思いますが、
おもしろそうなことはまたお話し聞いていきたいと思います!
木之村美穂さんプロフィール
AI Filmmaker/ クリエイティブディレクター
事業内容: 広告映像プロダクション 、AI x Fashion 企画デザインプロデュース、Web 3.0 企画ディレクション、海外クリエーターキャスティング、海外撮影プロデュース
木之村美穂 お問い合わせ先 info@studiodoginc.com
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