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木之村美穂さんが仕掛け続ける、ファッション業界と生成AIの融合

これまでにこちらのnoteで3本登場してもらっている、
AI Filmmaker/ クリエイティブディレクターの木之村美穂さん。

自身も世界トップクラスの生成AI Filmmakerでありながら、
世界中のトップクリエイターをキュレーションしGenerative AI×ファッションのイベントNFFT『New Future AI Fashion Technology』のファウンダーとして、イベント全体を2022年から企画プロデュースしています。
10月に今年も渋谷PARCOで開催されたNFFT2025_SS。
前後にGenerative AI×ファッション×ムービー関連でいろいろなトピックスがあったようなので、お話を聞いてきました。
こういうことが今起こっているんだな、ということが少しでも伝われば幸いです。

miomioに出演依頼続く

#miomio #aiavator #fashionavator

美穂さん本人も忙しいのは当然ながら、AIアバターmiomioもこのところ忙しいとのこと。
理由はトークイベントやAIセミナーなどでの出演依頼が続くため。
10月17日に東京ビッグサイトで開催された合同展「ファッションワールド東京」の特別講演プログラムで「生成AI時代におけるファッションとクリエイティブの未来」と題して、昨年記事でも紹介したPARCOのキャンペーン広告を題材にPARCO宣伝部長と対談した美穂さん。
登壇したのは美穂さんではなく、miomioちゃんでした。

ちなみにその運営さんの東京ビッグサイトでの講演でアバター出演者は初めてのことだったそう。
なにより、ファッションビジネス界の聴衆のお客様たちにとっては結構な衝撃だったことは想像に難くなく、なんとなく知っていた生成AIを目の当たりにして、検索などしながら食いついて聞いていたそうです。

この講演翌日が、冒頭にご紹介しているNFFTの今年のイベント開催日だった美穂さん。
(↓2023年NFFTイベントについて書いた記事もぜひ読んでみてください)

前日の講演を聞いて早速足を運ばれたファッションやジュエリー、シューズバッグなどアパレル業界の人が何名もいたそう。
中でもあるシューズデザインのデザイナーの方は「今までこういうことがやりたかったのだが、色んな人に聞いても『AIでシューズデザインは難しい』と言われ続けてきた。他の会社がまだやっていないことを自分の会社がまずできるなら、チャレンジングだしプロモーション効果も期待できる」ととても熱心だったとのこと。
今後AIからデザインされたシューズデザインが世に出る日も遠くなさそうです。

ファッション×生成AI、ムービーになってしまうと創作ハードルが一気に上がった…?

美穂さんが作っている最新のAI映像サンプルビジュアルを見せてもらいました。
(音楽もAIでつくってるそうです。)
見せてもらって驚きました…!
モデルが本物の人のモデルのようなのです。
ちょっと前まで、AIくさいというか、似た種類の顔というか、そんな印象でしたが、もはやAIでつくられたモデル、とは分かりませんね。
洋服の質感もすごいです。

ざっくりしたAI Fashion映像制作の流れを説明してもらいました。
(下の映像は記事トップ画像のムービー「INDIGO MIRAGE AI FASHION MOVIE」

全体イメージビジュアルを考えながら、まず最初に音楽を作ります
(他の方のクリエイティブ制作の段取りはわかりませんが、私の場合は最初にイメージを作り、まずは音楽を作ります)
英語のプロンプトを入れて一枚のビジュアルを完成させる
それを何百枚もつくり、そこから良いものを選び出し、
それをムービーで動かすために別のAI映像ソフトに入れる
そしてまた英語のプロンプトを足していきムービーにしていく
例えば最初の段階でMidjourneyから300枚出したとしたら、
270枚ぐらいはボツ、良いとなったたったの20〜30枚ぐらいがムービーに使える

つまりベースとなる一枚絵をつくってもたったの1割しか使いものにはならないようです。

なぜかと言うと、自分のイメージしたビジュアルで完成度の高いものがなかなか出てこないから
妥協したくないので、いいものが出来上がってくるまで、トライ&エラーを
繰り返して、何十時間もこの作業を続けていきます
その中から納得するものをムービー化して、映像のパーツをいっぱい作っていく
そして今度は最終的に通常映像編集で使っているAdobe Premiereや、Final Cut Proなどを使って、全体を音楽と一緒にまとめていく編集作業
この中から動画として動かしている各パーツ部分の細かい箇所を抜くとかそうやって映像作品を作っていくわけ

と言うことは、美穂さんは元々映像ディレクターだから出来る訳で、普通の人はなかなか出来ないですよね??

そうですね、結局AIビジュアルが静止画像からムービーになってきたので、映像編集や全体のシナリオ(脚本)などストーリー展開を考えていくことが難しくて、1枚のビジュアル制作(静止画像)までで、制作をストップしているクリエイターも多くいます
特にファッション系のビジュアルを作っていたクリエイター達で、今までAIファッションクリエーターとして作品をInstagramにアップしていた人が
半分ぐらい出来なくなってしまった印象
音楽も作らなきゃいけないし、映像編集ソフトも使えなきゃいけないし、
AI Fashion映像の世界が動き始めたことでハードルが上がってしまった
映像を作り出していく過程で、カメラのレンズや動きなども細かく指定していくのですが、
例えばズームして寄っていくとか、照明の位置なども言葉で入れるんだけど、撮影全般的な基礎知識としてカメラの動きとかライティングのことも分かってないとやっぱり難しい
なので映像ディレクターや、フォトグラファー出身の方は絶対やってほしいってすごく思ってます

なるほど…。
経験値というか映像や撮影に関するプロフェッショナルスキル+ファッションバックグラウンドがあるからこそなのですね。
しかし全部一人で出来ないと生成AIムービーが作れないということでも無く、海外の映像コンペなどでは、チームで作っているクリエイター
(4人ぐらいのチームを組んで、シナリオ担当・ビジュアル制作担当・音楽担当・映像編集担当など、役割分担している)もいるそう。

今年のNFFTではやはりムービーになったという難しさ、
尚かつファッションが表現できるかどうか

その掛け合わせは本当にハードルが高いようで
さすがに美穂さんも「ハードルを上げ過ぎたかなと思った」とのこと。
途中で「やっぱり出来ない」とドロップアウトしてしまった海外から参加のクリエイターも数名いたそう。
これまでビューティやファッションをずっとやってきた人でも、やはり動かすとなると難しくて出来ないというのです。
なので次回開催の際は静止画部門とムービーとで分けることも検討中だそう。
とは言え昨年のNFFTの一枚絵のインパクトの強さは間違いなくありました。
なぜなら前回の方がファッション系の人がいるから。
今年は映像業界の人が入ったので少し雰囲気は変わりましたが、世界でも珍しいAI Fashion Movie Eventが東京から海外に向けて発信できているのは
とても嬉しい、と美穂さん。
ともかく最先端なGenerative AI作品が見られるNFFTで、23年は静止画、24年はムービー…!
ちなみに来場者の層もこれまでの若いクリエイター達から全く変わったそうで、今年は完全に広告業界だったそう。広告代理店、フィルムプロダクション、映像ディレクター、カメラマン…。
生成AI作品の進化の過程は凄まじく、
取り囲むクリエイターや業界の様相も変化し続けているのですね。

今後のNFFTイベント情報
2025年2月に渋谷区共催のアートイベント“DIG SHIBUYA 2025”
にNFFT AI Fashion Movieとして参加することが決定。
詳しくは今後のNFFT Web Site / NFFTプレスリリースをチェックしてください。

木之村美穂さんプロフィール

AI Filmmaker/ クリエイティブディレクター
事業内容: 広告映像プロダクション 、AI x Fashion 企画デザインプロデュース、Web 3.0 企画ディレクション、海外クリエーターキャスティング、海外撮影プロデュース
木之村美穂 お問い合わせ先 info@studiodoginc.com

Clubhouse web 3 コミュニティー「クリエイティブラウンジ」 
毎週土曜日 朝10時〜11時 
クリエイティブラウンジというルームを3年前から主催、
日本語で話をしてます

木之村美穂さんインスタグラム

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