Collable認定リードユーザー養成講座第1期が修了しました
こんにちは!Collableです。
私たちはインクルーシブデザインの普及をさらに加速させるべく、インクルーシブデザインプロジェクトに欠かせないリードユーザー(インクルーシブデザインワークショップなどで、新しい気づきを導く役割)の方を、Collable公式パートナーとして迎え入れるための「認定リードユーザー育成プログラム」をスタートさせました。
6月3日より開始された本プログラムは全6日回にわたって実施されました。そのうち4日はワークショップの体験日となり、うち2日間分の体験を行っていただく内容となっています。
そしてついに7月29日に最終日を迎え、計6名の方が「認定リードユーザー育成プログラム第1期」を修了し、Collabe公式のリードユーザーとして認定されました!
本記事では約2ヶ月間に渡る「認定リードユーザー育成プログラム」の取り組みをお伝えしていきます。
6月3日(土)13:30〜17:30 認定リードユーザー育成プログラム 初回講座
初回講座では受講者が初めて一堂に会し、座学研修と実践研修が行われました。
座学研修ではインクルーシブデザインとはなにか、インクルーシブデザインを推進する「ワークショップ」という活動形態とはなにか、について知って頂き、デザイン領域、教育工学の領域から解説を行います。
後半の実践研修では「リードユーザーに問いかける立場を想像する」ことであえて「リードユーザーではない立場」を体験していただきました。テーマは「バッグの中身を聞く」。Collableのインターン生でもある聞こえにくい学生2人をリードユーザーとして、受講者にはワークショップの一般参加者になっていただきました。
バッグの中身について質問を重ねていくことは、一見聞こえにくさと関係がなさそうではありますが、尋ねていくと補聴器に関する質問にたどり着き、聞こえにくさからくる個人の行動特性が本人が気付かないようなところにあるようなポイント気づいたり、その補聴器を選んだ理由や、ポーチに入っているものから家族仲を大事にするような個人のパーソナリティが明らかになっていったりと、バッグ1つでその個人が浮き彫りになっていきます。
実際にリードユーザー役として体験した筆者の感想ですが、バッグの中身を尋ねる一般参加者側が「どれくらい踏み込んで聞こうとするか」が、バッグの中身をオープンに引き出す鍵になると思いました。お互いに遠慮してしまうと表面的な質問で終わってしまい、リードユーザーのパーソナリティに触れることが難しく感じます。
そして受講者たちは普段、問いかけられる立場だからこそ、問いかけるということが新鮮な様子でした。また、障害に触れることをどう尋ねていいのか?という難しさを自ら感じ取ったり、引き出したいことを引き出す上でどのような質問や声掛けをするのかを考えたりと、反省や気づきが得られた様子でした。
6月10日(土) 、17日(土) 13:30~17:30 体験会第1回
7月は受講者を2チームに分け、2週に渡ってインクルーシブワークショップ体験会第1回を開催しました。こちらは受講者に実際にリードユーザー役を経験して頂き、学びを深めてもらいました。
6月のテーマは「雨の日の外出をデザインする(雨具のアップデート)」☔️
1チームあたり3〜4人でアイディアを共創していきました。
ここでリードユーザーのみなさんは、実際に初回の講座を思い出して、雨具を持参してくれたり、話題を広げられそうなツールなどを持参してくれたりと、コミュニケーションの工夫を考え試行錯誤してくれました。
受講者の方々は一緒に雨具を切り貼りしたり、面白い雨具を紹介したりと一般参加者との交流を深めるコツを掴んでいる様子でした。リードユーザー役としての振る舞いに試行錯誤しながら自身の強みや弱みを学んだ回になったと思います。
終了後はオンライン上で振り返りを共有しあい、個々の活動を振り返り、内省する期間をとりました。
7月8日(土) 、 15(土) 13:30~17:30 体験会第2回
7月も引き続き、インクルーシブワークショップ体験会が行われました。
7月のテーマは「待ち合わせをデザインする」
体験会の会場近くにある大手町駅を実際に歩きながら、待ち合わせをアップデートするアイディアを構想してもらう内容です。
前回は室内で完結し、かつモノにできるだけ着目する活動になりましたが、今回は実際に一緒にフィールドワークをしながら、リードユーザーの行動を観察してもらうような内容になっています。
第2回となるとリードユーザーとしての振る舞いに慣れていく様子がうかがえました。実際に一般参加者のみなさんはリードユーザーを手引してもらい移動するので、一緒に移動するからこそわかることや共有できること、難しさも発見できた回となりました。前回の各々の反省が活かされて工夫に富んだ回になったと感じます!
7月29日(土)13:30~17:30 最終成果発表会
最終日には、今までのリードユーザーとしての経験を活かして、最終課題に取り組んで頂きました。最終課題の内容は「オリジナル自己紹介(アイスブレイク)を考える」。この目的は視覚障害の人と初めて出会う(であろう)人と打ち解けて話しやすくすることです。
一般参加者のみなさんは、リードユーザーにいろんなことを根掘り葉掘り尋ねてもらい、見て気づいてもらう必要がありますが、視覚障害のある方と初めての機会となる方も中にはいます。そうすると、いくらプログラムに工夫があっても、初めて視覚障害の人と関わる方は緊張される方もいたりします。だからこそ、関係を最初からほぐしに行くための工夫をリードユーザー自らが考えてもらうことを想定したのが、この最終課題となります。
受講者の皆さんにはこれまでの体験を元に自分らしいアイディアを実践してもらいました。
お金を使ったミニゲームやチームで名前カードをつくる工作、目隠しで物を当てるゲームなどなど十人十色のアイディアが生まれました。1人1人の個性があふれていて、一般の参加者も自然と笑みがこぼれる回になりました!
一方で、もともとの意図が活動に反映されているのか、うまくやろうと思ったけれどファシリテーションがなかなかうまくいかずに時間がかかってしまったりと、試して見るからこその反省点もあり、そうした内容を相互にフィードバックし合う充実した時間となりました。
以上より約2ヶ月に渡る「認定リードユーザー育成プログラム」を修了しました。受講者の方々が自信を持って発表する姿からは成長を感じることができ、受講者の皆さんも多くの気づきに触れたように思います。受講者の皆さん、お疲れ様でした!これからCollable公式パートナーとして共にプロジェクトを作り上げ、盛り上げていきます!
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