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映画『無名』

『無名』を観てきた。
歴史が分からないと難しいと聞いていたけど、あれだけ途中途中、そして最後に盛大に答えをくれる監督は、もの凄く優しい人なんだなという感想だった。
肉2切とか海老の踊り食いは隠喩で、もっと血生臭いイメージを抱いていたので(よく分からなかった)みたいな事は無く見終えた。
途中(この映画の出演は良かったのか)と変に心配してしまったけど、そんな心配も杞憂に終わる。
ただ、日本で言われる(スパイ映画)という位置に少し疑問が残った。そうだけど、そうじゃないような、そもそもが違う様な、そのモヤモヤは歴史を知る事で解決する部分なのかもしれない。
ただ、あのタイトルの秀逸さは監督がやっぱり凄い人なんだと映画を観た後にやっぱり思う。

王一博さん目当てだったけど、世界のトニー・レオンさんは凄かった。冒頭のシーンの絵としての良さ。若い王一博さんより終始爽やかな人だったのは、感情の情はあるけど感が無い役という私の解釈のせいかもしれないけど。逆に一博君は、感はあるけど情が無い役だった。でもそれが、新人枠の王一博という俳優にピッタリだった。
一博君の役割は歌まで含めての役なんだろうなと、エンドロールを観て思った。もの凄く盛り上がりのある(映画の歌)って感じが全くない、でも染み渡る歌声で、映画を観た後に現代の彼が歌う事で現在に繋がってくる感じがして良かった。だから余計に、ファンという立ち位置で消費してよい作品だったのか考えてしまうけど。

家に帰ってからふと気付いた事の1つに、私はトニーさんの映画を1作も観た事がないけど、そもそもトニーさんが上司の設定の時点で、部下にやられる様なヘマな上司な訳ないじゃんって思い至って、この作品は最初から答えを提示してたじゃん!って風呂場で驚愕した。
中国の方は、トニー・レオンが出る時点で(あのトニーが裏切る役なわけ無いじゃん)とかポスターが公開された時に既に思ってたりするのかな。

色々と考える映画だった。
ハリウッド映画の(史実を元にした)と今回の(史実を元にした)は同じだけど全く異なって、その(異なる)と思った感情は日本映画では感じる事は無いと思う。今は今、昔は昔みたいな考えがそもそも平和ボケしているのかもしれない。過去の歴史があって今があるのだと改めて思わされた。

無名の番宣で有名な犬ちゃんが一緒の回があったけど、この映画に(犬が出てくるから)という理由でない事を願いたい。あの時の一博君、凄く幸せそうだったし、私はあの番宣が1番好きなので。
買う予定の無かったパンフレットを買って(買って大正解)そして、どうしても肉2切れのワードに引っ張っぱられた私は、豚の角煮を買って帰ったのでした。

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