見出し画像

草木の効能 ーあかね・茜ー



*茜 ・・浄血、保湿、解熱、強壮、腎臓病、身体の活性化、血行促進、体温の上昇 

画像1

「日本茜(にほんあかね)」は、アカネ科のつる性多年生植物です。かつては道端や雑木林などでよく見かける〝雑草〟のような存在でしたが、すっかり目にすることがなくなりました。茜染めの染料は、茜の根を使います。その細かく切った根っこを、鍋で煮込んでいると、だんだん黄みのある色味が鍋が沸く頃には色はどんどん濃くなり、次第に黒っぽい色にまで変色します。赤っぽい色の泡が出てきた頃ぐらいを目安に染色にうつります。

染色中は染料から湧き立つ湯気とともに、その香りが部屋を包む茜。どこか懐かしさを感じさせる、心落ち着く香りです。

画像2

茜の持つ、止血や解熱、血液浄化といった効能から、女性の体を守る薬草として、肌に直接触れる産着や肌着、腰巻など古くから親しまれてきた茜染め。漢方では、通経、浄血、解熱、強壮薬などに使われるそう。

茜は古代から、(紅花よりも古い)染料として使われてきました。
明治時代にはいり、政府が制定した「日の丸」の旗の赤い色は、この茜で染められたものです。
                                    
茜染めの色は太陽の色。
太陽信仰のあった古代、「赤」は神霊の現れであり、太陽と同等の霊力が植物の茜にも備わっていると考えられました。

画像4

その鮮やかで可憐な桃色(ピンク色)は女、男どちらもどんな人の中にでも存在する女性性の部分に刺激や癒しを産み出すと、私は感じています。

母性、女性性を表現してくれるような安心感と安定感。そして心くすぐるような乙女感。

人は誰でもお母さんから産まれてくる。みんな赤ちゃんだった。本来あたたかくて幸せで心揺さぶるそのお産という風景に1番しっくりくるような色味だと思えてくるのです。

視覚からも色味を味わい、実際に肌に触れて触覚を潤す、茜。

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?