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寒い日、巻きものマスターをめざす

三連休に寒波がピークを迎えるというニュースを見た。先日から大阪でもちらちらと雪が舞うことがあり、例年にない寒さがやってきているのだと実感する。

生まれも育ちも大阪のわたしは最低気温が0度を下回る日に慣れていない。防寒の仕方もいまいち理解できておらず、「寒いときは三首を温めるのがいい」との教えも最近知った。首、手首、足首、の3カ所を温めれば、体全体の冷えを防げるということらしい。

「あかん、全部むきだしやったわ」

わたしは焦った。ふだんの装いでは、3つの首すべてが出てしまっている。

タートルネックの衣類が苦手なので、コートの上にマフラーやストールを巻くようにはしているものの、しょっちゅう巻き忘れて出かけてしまう。

手首のまわりにもぞもぞと布地がたるむのが嫌いで、洋服の袖はいつもまくりあげている。手袋も嫌い。分厚い靴下も好きではない。

これでは冷えるはずだと思い、心を入れ替えてこの頃はストールをよく巻いて出かけている。タートルネックに首を締めつけられるのは苦手なのに、マフラーやスヌード、ストールなら平気なのは不思議だ。

そして、ストールにもたくさんの巻き方があることをあらためて知った。

オーソドックスなものにニューヨーク巻きやミラノ巻きがある。わたしがいつもいいかげんに巻きつけているのはこのあたりのやり方らしい。大判ストールでやると首まわりにボリュームが出て温かく、見映えもいい。

ほかにも、ウィンディ巻き、ポット巻き、頭まで覆うバラクラバ巻き……と、いろいろな巻き方が存在する。

ということで、先日から外出前にストールの新しい巻き方を試してみている。鏡の前で2、3分、YouTubeなんかとにらめっこしながら首にぐるぐる巻く。

このあいだは「お、いい感じに巻けた!」と家を出ようとしたところ、夫が「まだおったんかい!」と驚いていた。案外、時間がかかっていたらしい。でも、なんだか季節感たっぷりだし、首はほわんと温かいのでよしとする。

現時点で5つくらいの巻き方をマスターした。

寒いのは困るけれど、思わぬところに楽しみがあった。こういうことを繰り返しているうちにたぶん春が来る。これが暮らしの姿なんだ、という気がする。



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