強気なわたし大作戦
「気が強い」がネガティブな意味で使われる場面に、最近たくさん出くわした。
「○○さんって、気が強くて嫌いやわあ」とか「気が強い女はかわいげがない」とか、その手の話をよく聞いた。
なんでかなあ、と思う。そのとき非難されていた人は、気が強すぎるうえに性格が悪くてトラブルを起こしている、のではない。嫌なことは嫌だと拒否したり、自分の考えを明らかにしたりするという、ただそれだけで嫌悪の対象になっているようだった。
気の弱いわたしからしたら羨ましいにもほどがあるのに。
わたしはもにょもにょと喋るほうだ。ずびしっ! と断定的な物言いをするほうでもない。ことプライベートにおいては。
だから、いつも友人に「はっきり言ってやればよかったのにー」と注意される。たぶん彼女たちをイライラさせてしまったこともあると思う。
そういう、わたしみたいな人間から見れば、自分の立ち位置や主張を明確にして、はっきりものが言える人はすごい。そのなにがいけないのか全然わからない。「いいなあ、かっこいいなあ」と常々思っている。
なんとなく、今回出くわした場面を振り返ると「主張するオンナは嫌われるのかしら?」と思った。たまたまコンサバな人が集まるシチュエーションに当たったからかもしれないけれど、嫌悪されているのは「おとなしくない」ことのように思えて、納得がいかなかった。
嫌なことを嫌と言える人、「自分はこう思う」と主張できる人がわたしは好きだ。いくらその陰口を叩く人がいようとも、こっそり応援する。もちろん、気が強いこと以外に問題があるならまた別である。
気が強い人の爪の垢を煎じて飲みたいと思ってさえいるわたしは、まずは夫に対して強気な態度に出ることを試みた。憧れているだけじゃダメだ。実践しなくては。
嫌なことと自分の思いははっきり伝えるようにしてみた結果……。
「……なんか、怒ってる? もしくは喧嘩売ってるとか……?」
夫は明らかに困惑していた。
うーん、強気なわたしになるのにも時間と練習が必要らしい。毅然とした対応ができる人だってきっと、一朝一夕でその姿勢を身につけたわけではないのだろうから。ちょっとは修行して、芯のある女性になってみたい。