悪目立ちしないための相棒だけど
保護者会に個人懇談会、運動会。
ちゃらちゃらしたおばちゃんとしてではなく、双子の娘たち(6歳)の親として顔を出さなければならない場が増えた。
わたしはふだん、自宅で仕事をしている。以前、大阪に本社を置く会社とお取引させていただいていたときはちょこちょこ対面ミーティングに伺うこともあったけれど、最近はどなたともオンラインでお会いする。
だから、わりと自由な装いをしている。コロナ禍で話題になった「ボトムスはパジャマ、上半身だけシャツ&ジャケット」などというスタイルも可能(テンション上がらないのでやらないけど)。
そういう暮らしをしていて困るのが、娘たちがらみの会合である。なにを着ていけばいいのかわからない。派手なのもいけないだろうし、個性的すぎるのも周りに気をつかわせてしまうだろう。
とりあえず、洋服はモノトーンでシンプルにまとめようと心がけている。無難が命だ。
ジュエリーは一粒ダイヤなら間違いがないと思っていて、0.5カラットのピアスとネックレスのセットを頼りにしている。
腕時計も、主張の少ないものがいいだろうと、だいたいいつもこれをチョイスする。
ベイクルーズ系列の腕時計ヴィンテージショップ「HIROB」オリジナルのシンプルウォッチ。「Sur Mesure」というシリーズで、非常に使いやすい。
クラシックなデザインで癖がないので、どんな装いにも合う。悪目立ちしない。はじめての方とお会いするときにも安心して手に取れる。
しかも、お値段は2万円以下だった気がする。すべてにおいて賢い子だ。
この腕時計を買ったときは「ちょっと面白みがないかなあ」と思っていた。デザインが控えめだからだ。華美さがない。
でも、結局、長年頼りにできるのはこういうタイプなのかもしれない。個性の強いアイテムを避けたいときに、ためらいなく選べる。そんな要素を備えていることもファッションアイテムの実力のうちと言えるだろう。
派手じゃないけれどここぞというときに選ばれる。そういう人に、わたしもなりたい。……なんて言ってみる。
それ以前に、他人が身につけているものに過剰に反応する風潮がなくなることがなによりいいようにも思えるけれど。
鏡に向かいながら、「『無難がいちばん!』ってなんなのよ」と思う自分もいる。母親ファッションはいつもアンビバレントな感情の上にある。
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