ハイブリッド?ハイフレックス?

新学期があっという間にやってまいりました。
2月3月の講演でお話させていただいたのですが、今年度は、2020年より状況は複雑になり、教室運営の困難さは増しています

理由は、オンオフの混在。そう、巷ではハイブリッドやハイフレックスと言われているアレです

細かいことが気になっちゃうのは、それが自分の専門だからなのかもしれませんが、最近、「ハイフレックス授業をしなくてはならなくて・・・」という声をよく聞くんですけど、

ちょっと待ったーーーーーーーーーーー!!!
それ、ハイフレックスやないーーーーーーーーーーーーー!!

という状況が多く、モヤります(笑)。
いや、実際、ハイブリッドでもハイフレックスでもいいんですけど、大体こういう場合、現場の先生たちの負担が「物理的」にも半端ないんですよ。

じゃあ、ハイフレックスって何?ということですが、以前このnoteでこのように書きました。抜粋すると、

「ハイフレックスモデルの魅力は柔軟性、様々な組み合わせが考えられることです。例えば、同じ科目の中で、オンラインで学ぶ学生と対面で学ぶ学生という2つの方法が同時に走っている。もしくは、曜日や日によって、教室に集まる日とオンラインで学ぶ日に分けるなど、クラスサイズ、学びの目的などで、柔軟に組み合わせることができる。それが、これまでのハイブリット型の授業との違いということみたいです。(中略)

ちなみに、ハイフレックスモデルでは、教室環境を作ることが大事なようです。私が読んだ記事では、より良いハイフレックスのための教室では、

・教室にモニターを設置して、教師が離れた場所からライブで授業に参加している学生を見たり、声をかけたりできるようにする

・もっとも良いのは、一部の学校で設置されているリアル・プレゼンス・エクスペリエンス(RPX)ルームで、特別に設計された教室の大画面に、離れた場所にいる学生が等身大で映し出される

と、このような物理的な教室デザインが必要なようです。」

つまり、組織として「ハイフレックス」というからには、少なくとも組織の責任として、教室環境を最低限整える必要があります。もちろん、大学だってRPXなんてそうそう作れません。そして、ズームなどを使って遠隔地の学生と繋ぐ方法はすでに1年間オンラインで利用してきているので、教室での利用に関しては別段問題がないと思います。
オンライン授業とこういう混在型の授業の違いは、教師がオンラインと対面の両方に話しかける必要があるということでしょう。これには何が必要かというと、カメラやモニターではなく、実は重要なのは、マイク!そう、教室の音声がある程度拾える集音マイクがとっても大切なんです。なので、せめて各教室集音マイクくらいは、組織で準備してください。それまで先生に個人で準備させるって、ちょっと組織としての責任感なさすぎだと思います!(もちろん、色々なところに非常勤として行くので、自分のPCと相性のいい集音マイクを個人で購入するというのも、もちろんありです!8000円くらいでそれなりの集音マイクが買えます!)

教室にWEBカメラと集音マイクのついたPCが置いてあって、立ち上げたらすぐに使える状態っていうのが、便利なのかなあ。

というわけで、なんの準備もしない組織のトップが、「ハイフレックスで〜」みたいに言ったら、シレーッと、「あ、ハイフレックスって教室設備が大事みたいなんで、うちのはハイフレックスじゃないと思います」くらいの嫌味は言っていいのではないかと思います。

ぶっちゃけ、ハイブリッドだろうがハイフレックスだろうが、呼び名はどうでもいいと思いますが、とにかく、組織が設備投資や準備をせず、教室環境を作ることまで先生たちにお任せするのは、あかんやろと。

教育工学分野のシンポジウムや学会に参加すると必ず言われていたのが、「これまでの教育の抜本的な見直し」です。それには、先生たちの教室活動だけでなく、学校組織の運営方法や体質なども含まれます。むしろ、それを見直さないとならないではないでしょうか。

ということで、新学期一発目、世界の片隅で役に立たないかもしれないけど、吠えてみました。

今年度も、みなさま一緒に頑張りましょう!


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