山やります 山やってます この表現がすこぶるイカしてる件
これはアウトドアブランド「Col to Col(コル・トゥ・コル)」が立ち上がるまでの経緯と、中の人が何を考えているのかを、三人のメンバー(タッカ・エンゾー・ドフィ)が代わる代わる綴っていく「問わず語り」です。
【タッカの回:003】
連投失礼!タッカです
アウトドアブーム絶頂期、キャンパーであふれかえるキャンプ場の週末だが・・・
アウトドアには様々なものが含まれます
かくいう私は、全てが好き
アウトドアスポーツならどんなジャンルでも興味あり、全てを掌握したい!
極めたい!!
その一つが登山
ハイキング・トレッキング、トレイルランニング、ULハイク、クライミング、
アルパインクライミング、アイスクライミング……
いろいろありますが、私は…全て好き
きっかけは13歳夏 初めて登った山が、霊峰 富士
日本一の山3776mの頂は中学生の私にとってとんでもなく険しく未知への挑戦でした
しかもソロ登山
当時クレイジージャーニーが大好きだった冒険少年は、日本の頂点を独りで登頂することに憧れ、強いこだわりを持ち挑戦しました
あの時体感した低酸素
あの時みた流れ星
あの時みた人工衛星
あの時見た御来光
全てが最高の経験で語り尽くせない思い出です
登頂した時の達成感と充実感にやられ、それ以降、登山が好きになりました
詳細はいつか語りたいですが、それはまた機会がありましたらその時に…
さて、今回の表題ですが
普段、生活していてたまに出会うんです
登山が趣味の方
その時の会話でよく使われる表現が
「私、山 やってるんです」
「自分、山やります」
「山屋です」
この会話、耳にしたことありますか?
山をやる?
「名詞」を「DO」?
違和感しかない表現に、ついていけない方が多数いることを認識しています
しかし、私はこの表現にとっても玄人感とこだわりを感じます
「山」って自然の物象においては揺るがない存在
太古からそこにあり、地殻変動によって隆起した地球の奇跡
地球にとっては鼻くそのようなちっぽけな存在の人間が、微々たる能力によって登ることは自然に対してあまりにも大きな挑戦です
勝つことができない挑戦。シチュエーションによっては冒涜だともとらわれます
だからこそ、共生しその自然の恩恵に預かり楽しむ
リスクがありながらも、知識と技術で安全性を補い楽しむ
それが登山
山に入ると完全に俗世界とは離れます
電波は届きづらい
食糧・水分だって限られる
人にも会わなくなる
日照時間が行動時間
天候はすぐ変わる
油断したら方向方角すら見失う
これが「山」です
どうですか?
リスクが多すぎでしょう?
そうなんです「命」がけで登るんです
たかが登山、ハイキングでしょう?と考えるのは油断
たとえ低山でも自然は危険です
「命」をかけて登っているからこそ、そこでの経験や体験は言い難い
普段の生活では得られることができない刺激と感動、自らの脚で登ったからこその充実感と達成感。これにハマるんです
リスクがあるスポーツであるということを理解した上で
命をかけてやることに誇りを持ち、でもそんなリスクに立ち向かっている自分が好き、いや……大好き
それらを解った上であえて、ダサくて、もさい表現「山をやる」と謳っているのかもしれません
だから私も趣味はなんですか?と聞かれたら
「私、山をやっているんです」
と答えます