note:94 カルツォーネ【BreakfastNotes】
「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。朝は予想外の事も起こりうる。寝坊してしまう、電車が遅れてしまう、支度に時間がかかってしまう。
同じ朝はない。いつも少しずつ程度でも違う朝である。同じ瞬間が一つもないからこそ、時間は愛おしい。時の流れを感じる事はセンチメンタルで、愛おしい…いと惜しいと言えばいいのか。
特に朝の時間は貴重なので、しっかり体感しながら生活していきたい。
土日祝は朝食が限定され、定食屋がいっぱいなのを見てドトールに来た。二日連続なので、また新しい挑戦をしようと、カルツォーネを頼んだ。食べたことのないものを食べるのもいい。もちろん食べている人や頼んでいる人を見た事がなかった。店員さんも聞き返してきたくらいだった。
とてつもなく熱い。火傷しそうだ。おそるおそるだが、食べてみる。
ピザ生地だった。驚いた、こいつはピザなのか。中からトマトソースとハムとチーズが、ねっとりと出てくる。アクセントに入っている、おそらくオリーブだ、モッタリとした味を引き締めてくれて完成されている。
文化の混濁の中にいるようだった。イタリアなのか、アメリカなのか、日本なのか。全てのいいところが詰まった食事だ。
食わず嫌いは良くはない。人間気に入ったらそればかり食べてしまう所はあるだろうから、たまには挑戦するのもいい。
……私は朝食が好きだ。新しい発見があると、その日一日なにがあっても大丈夫な気がする。
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