#017「油そば 特大 おすすめAトッピング」【バクチ打ちの朝食】
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。私はとても朝食が好きだ。その日最初の食事は希望に満ち溢れている気がする。その日最初の原動力になり、1日の可能性や期待値に心が躍る気がする。
前に書いていたみたいに、しっかり描写できればと思い始めた。たった1年か2年の間に、私の語彙力や表現力は、ここまで衰えてしまったのかと思う。
少しでも、少しだけ読んでくれる人に美味しいが伝わればいいと思ったりした。
おすすめAの魅力はなんといってもパルメザンチーズだ。油そばでありながら、カルボナーラっぽさを、卵黄と一緒に演出してくれる。いつもくらいのニンニクをすこし、玉ねぎは控えめにして全体を混ぜてゆく。
カルボナーラ、というにはしょっぱい。ちゃんと、油そばとしてのアイデンティティがしっかりしている。一時期、油そばにチーズはどうなんだと否定的だったが、回数を重ねて好きになっていった。
口うるさい幼馴染のような、カエシがチーズと戦っている。大人になって思い返せば、あんなに近しい他人はそうそういないと、思い出すような雰囲気のカエシの味がする。中学、高校と上がり、わざわざ私のクラスにまでやってきて、シャツを入れろ、ボタンを止めろというような幼馴染を思い出すしょっぱさ。
チーズを味わうと、カエシがちょっかいを出してくる。
熱く太い麺が、全てを一つにして、私の中に浸透させてくれる。40を越えて、郷愁に襲われるようなトッピングをしてしまった。麺は、少し香ばしく甘味さえ感じた。
「朝食は、朝、人を良くする」と書く。
あとは馬券と舟券と車券が獲れたら、
言う事はないんだが。