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note:22 かき揚げ天せいろそば【BreakfastNotes】

 ……何よりも、朝食が好きだ。夏で食欲がなくとも朝食だったら食べられると本気で思うくらい。
 もちろん軽く済ませる日もある。電車の都合で食べられないかもしれないと思ったら、それはそれで朝食の内容を調整することもある。少なくしたりすることはあったりする。
 電車が遅れる、止まるなんてことは多く起こる。これほど大量の人間を、同じ時間に完璧に運び切ることは、とんでもなく難しいだろうが、人間同士の協力のもと「ある程度」達成されて、皆がある程度希望の時間に到達するという素晴らしさを、食べながら思ったりもする。

かき揚げ天せいろそば¥460-

 お蕎麦屋さんの提供スピードは群を抜いて早い。前職の時の朝食はほとんど立ち食い蕎麦だったことがあるくらいで、その安定供給の速度と質にはある一定のリスペクトがある。
 かき揚げはとても硬いが、その硬さとは相反して噛むと、玉ねぎと油がジューシーだった。わさびを少しずつ付けて、蕎麦をすすり、目覚めを促していく。毎回大好きな、油が浮いたつゆに潜らせた蕎麦である。適切になるように、かき揚げを注意しながら食べ進めていた。
 最後は蕎麦湯で割ったつゆを飲み干すが、今まで食べて来たかき揚げ、ネギ、わさび、大根おろしなどの薬味が全て一つになり、グランドフィナーレとなる。

 「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
  ……さて、明日は何を食べようかな。

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