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note:6 朝さば文化干し定食【BreakfastNotes】
……何よりも、朝食が好きだ。好きなものを選び、好きなように食べることができる。
ドアtoドアでおよそ1時間半ほどかかる通勤時間の大半を電車で過ごす。当然、満員電車である。
優先席がポツンと空いていた。優先すべき人がいないなら、一番近い人が座ればいいと思うが、頑なに座らない。次の駅でも降りない。
ラピュタを守る巨神兵のように、誰も座らない優先席を守っている男性がいた。
もしかしたら大切な誰かと約束したんだろうなと思った。「絶対にここだけは!!守って!!」と。
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しんぱち食堂に最近はハマっている。一通りモーニングメニューも食べたので、今度は朝からレギュラーでも食べようかとも考えるくらいだ。
焼きたてのさばの皮から、ジュクジュクと脂が吹き出していた。その残された頭が「生命」そして「死」を感じさせ、食べることは殺すことでもあると自覚した。
できるだけ骨まで食べるように心がけているのでしっかりとほぐして、口に運ぶ。
さばの脂が口いっぱいに広がり、米の一粒一粒まで浸透して一体感を感じる。味噌汁でそれを胃の中にゆっくりと収めていく、この時間がとても気持ちのいい時間となった。
「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
さて、明日は何を食べようかな。