見出し画像

note:12 穴子天せいろ【BreakfastNotes】

 ……何よりも、朝食が好きだ。毎朝、シャワーの時でさえ考えている。
 毎日違うものを食べる必要はない。同じ方がいいとさえ思う。ただ毎朝同じような朝になるとは限らない。雨の日もあれば、今日のように酷暑の朝もある。その日のコンディションに合わせた選択をしたとて、お店の混み具合なども考えると適切に狙ったものを食べれられるとも限らない。
 その中で、その瞬間、その朝の適切な選択をする、行動をするという事が、朝食と言っても過言ではない。

穴子天せいろ¥650-

 最後まで悩んだのだが、店先のノボリが決め手になって、小諸そばに入った。食券を買う時も迷ったが、そんな弱い自分を、意識高い自分が制してボタンを押した。
 朝から破天荒な穴子天が、お盆を飛び出している。不親切なほど大きいサイズで、つゆにつからない。前半はつゆなしだったが、思ったよりも爽やかな味とサクサク感が、熱いものを食べているのに清涼感となっていた。ネギとわさびで蕎麦を合間にすする。穴子天の油が少し浮いたつゆをくぐる蕎麦は、夏休みに少し大人になって登校した初恋の幼馴染のような印象だった。
 まぁ、そんな思い出はないんだけどね。

 「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
 さて、明日は何を食べようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?