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note:16 朝じゃけ定食【BreakfastNotes】
……何よりも、朝食が好きだ。朝食は常に、希望に満ち溢れている。大雨で、故郷も大変なことになっているが、従姉妹が「とりあえず米を炊いて、おにぎりを握った」と母から聞き、どんな時でもやはり「食事は希望である」と確信した。
たまたま用事があり、隣県まで行っていたが、たしかに雨はすごかった。見覚えのある景色のうち、いくつかが水没していたり、畏怖の念を抱かずにはいられなかった。
食事はその「自然の一部」をいただき、また自分も一部として生きていく行為だと感じる。
大事な一食だ、三食ともそうだが、毎度感じるし、朝食はもっと感じる。
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私と私の従姉妹の祖父祖母、特に祖母は長寿だった。母や叔父に「生まれた時からご飯と塩鮭ばかりたべて飽きないか」と揶揄されることもあったが、二人は長く生きることができた。
故郷の大雨もあってか、従姉妹のおにぎり作戦もあってか、私は自然と頼んでいた。
私は魚の皮も食べる方だが、私の彼女は皮を食べないそうで、彼女のお父さんも召し上がらない。食は家族に似る。食べ方から好みまで。祖父は皮を残していたような気がするし、祖母は食べていたような気もする。
人をしるには何を、どう食べるのかを見ることを忘れてはいけないなと思う。以前私は上司の犬食いのような食べ方を見た事も前職を辞めるきっかけだった。
「朝食」は「朝、人を良くする」と書く。
さて、明日は何を食べようかな。