春風に舞う少年 #7
「あれ、ジンはどっちに行った?」
「あっ、見つけた!あっちの道だ!」
リナの力強い手に引っ張られながら走る。
美保も一緒に神谷を追いかける。
「ジーン、ジン!待ってー!」
その声に神谷が振り返り、足を止めた。
バタバタと三人が駆け寄る。
すると力強い手が離れ、リナと美保は
咲と神谷よりも距離を取って佇む。
神谷の前に立たされた咲は、息を整えるのと
この状況を理解するのに必死だった。
(この場をどうしたらいいのか…)
リナと美保に視線を送るが、知らぬ顔をしている。
すると神谷が「何?」と尋ねる。
あたふたしている咲に、美保が
「言わなきゃ!」と告げる。
「…す、…すっ、好きです」
「今日は急いでるから、ごめん…」
そう言い残して、神谷は歩き始めた。
突然の出来事に呆然とするしかなかった。
そんな咲に、リナと美保が
「何って言ったの?ジンの返事は?」
「好きです。と言ったら
今日は急いでるから、ごめんって…」
「えっ!?それだけ?」
「うん…」
また失恋した…。
落ち込む咲を見て、二人は励ましながらも
少し気まずそうにしていた。
ここまで読んでいただき
ありがとうございます(^人^)
この続きは後日、投稿いたします。
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