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春風に舞う少年 #5
週末開けの月曜日、授業中に平田が小声で
「お前、よくテニス部の部活を見に
あちこちにいるけど、誰見に来てるんだ?」
(ギクッ…)
平田には一番聞かれたくない事だった。
「あぁ、リナと美保ちゃんが見に行かないか?
と誘ってくれるから、付き添いだよ!」
「本当はお前、好きなやつ見に来てるんだろ?
誰か教えろよ、協力してやるよ(笑)」
平田のおかげで私は気の強い変な女と
失笑されたので
今、一番お断りしたい協力者であった…。
「うん、あっ、ありがとう!
でも私、失恋したばかりで…」
「ふぅ~ん、そうなんだ。」
何かを見透かされているような表情をした
平田に、必死で取り繕う咲であった。
リナと美保にもテニス部の予定を伝えるために
平田に、さりげなく聞こうとするが
「教えてやらねぇ~(笑)
お前、また日曜スポーツ広場まで
見に来ただろ?お前の好きな人を言えば
これからは素直に予定を教えるよ(笑)」
粘着質なのか、しつこいのか…
何とか誤魔化し通せるものか…
このまま粘り勝ちできるものか…
しばらく、そんな日々が続いた。
諦めたのは平田ではなく、咲だった。
「誰か教えたら、今週の予定を教えるよ!」
「じっ… じっ… 実は…」
「はぁ~!? お前、神(ジン=神谷)が好きなの?
ってか、お前しゃべった事あるのかよ(笑)」
予想はしていたけれど、平田の言う通りで
小学校も同じでなければ、中学で同じクラスにも
なったこともないのが事実。
咲も心の中では、八木の時と同じ道を
たどるのだろうと思っていた…。
ここまで読んでいただき
ありがとうございます(^人^)
次回はまた日を改めて
投稿させていただきます。
しばらくお待ちください。