春風に舞う少年 #4
「ねぇねぇ、うちのクラスの神谷くんって
知ってる? 美保の隣の席でテニス部なんだけど。」
「えっ、神谷くん?」
「じゃあさぁ、給食終わったらうちのクラスに来てよ!」
「うん、わかった。」
そう言われて、咲はリナのクラスに向かった。
「ほらっ、美保の隣にいるのが神谷くん。
今うちのクラスの学級委員なんだよ!」
「へぇ~、そうなんだ。」
「さわやかな感じでしょ(笑)
性格も優しいしさぁ~、ねぇ、どお?」
(いや、どお?って言われても…
喋ったことも無いから…ねぇ。)
「あぁ、うん。」
「私と美保のイチ押し(笑)」
その言葉ですべてを察した。
それからリナと美保のアピールが日に日に増え、
神谷の良い人話しを聞いている内に
忘れようとしても目では追っていた
八木の姿よりも、次第に神谷を探すようになった。
《女心と秋の空…》
「このコ、野々村 咲ちゃん!
ほらっ、神谷と仲が良い平田の隣の席なの。」
「あぁ、平田の隣の席の。よく平田から
話しは聞くよ。気が強い変な女がいるって(笑)」
「… … …(苦笑)。」
(平田ー(怒)!!)
咲と平田は二年生になって隣の席になった。
女の子のような顔をした平田ではあったが、
何かと咲に悪態をついてくるので
咲と平田は犬猿の仲だった。
机からノートがはみ出しているとか…
そんな些細なことではあったが
毎日、言い合いをしていた。
まさかこんな時に日頃の自分の行いが
足を引っ張るとは想像もしていなかった咲だった…。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます(^人^)
またこの続きは後日、投稿いたします。
しばらくお待ちください。