春風に舞う少年 #6
平田に神谷へ想いを寄せていると
打ち明けてから、しらばくして
夏休みに入った。
夏休み中、咲の部活とテニス部が
同じ時間帯になると
神谷の姿を探してしまうほど
咲の中で、神谷に対する想いは
日に日に強くなっていった。
夏休みも終わり、体育祭の練習が
夕方に始まり別の組で
神谷は応援団員になっていた。
広いグランドの端と端であっても
神谷をすぐに見つけられた。
強くなる想いの中で、この気持ちを
もし神谷に伝えたとして
その先はどうなるのか…
また失恋するのだろう。
それならば、告げずに想っているほうが
一番、良いのかもしれない…
傷つくことなくいられる。
想いを寄せる人がいるだけでいい…
夏の暑さから、少しずつ秋の涼しさが
漂いはじめ、体育祭も終わり
生徒たちの中に熱が消えていった。
夕方、テニス部の活動を
観ようとリナと美保と待ち合わせていた。
リナが「今日はジンが歯医者へ行くから
部活を途中で切り上げて帰るみたいだよ!」
(へぇ~、そうなんだ)
咲はその時、それが何を意味しているのか
全くわからなかった。
ただ今日は途中で早く帰る。
それだけのことだと思っていた。
神谷の姿が部室へ向かい着替えを済ませ
カバンを持って帰路に向かう姿があった。
少ししてリナが「よし、行こう!」
と咲の手を握り、物凄い強い力で引っ張り走る。
「えっ、何?なに?」
「今からジンを追いかけるんだよ!」
ここまで読んでいただき
ありがとうございます(^人^)
この続きはまた後日、投稿しますので
しばらくお待ちください。