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ビットトレードでインシデント発生|JOCトークン投資家への補償内容を予想
今、日本の仮想通貨取引所ビットトレードに対し、投資家から批判が集まっています。
IEO銘柄JOCトークン上場、ビットトレードがアクセス過多でログインできず批判集まるhttps://t.co/EWSHvw106G
— coindog@世界の仮想通貨ニュースを日本最速発信⚡ (@coindog_news) December 23, 2024
ビットコイン/仮想通貨ビットトレードは23日、正午よりIEO銘柄「ジャパンオープンチェーントークン(JOC)」を取扱い開始。…
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ことの発端は、2024年12月に発生した同取引所で発生したIEO銘柄の上場を巡るインシデントです。投資家は損失を被る形となり批判と補償を求める声が殺到しています。
さらに、上場した銘柄のプロジェクト創設者がビットトレードに対し損害賠償請求を検討中である旨を発信する事態にまで発展。
本記事では、ビットトレードの現時点での発信内容や同社と近藤氏とのやり取りをまとめたうえで、今後考えられる投資家への補償内容を考察します。
1.ビットトレードで発生したインシデント内容
2024年12月、ビットトレードはJapan Open Chainの手数料トークン「ジャパンオープンチェーントークン(JOC)のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を実施。その後、JOCはビットトレードの他、複数の海外取引所にも同時上場しました。
しかし、ビットトレードではアクセス過多でJOCの上場直前にサーバーがダウン。上場から数十分後までビットトレードにログインできない、あるいは取引サービスを利用できない事態が発生しました。
日本の投資家のみ、上場後の最も価格が乱高下するタイミングにおけるJOCへの投資機会を逃した格好です。
これについて、投資家から批判と補償を求める声が多数寄せられているほか、Japan Open Chainの共同創設者である近藤氏は以下のように「重大なインシデント」との認識を示しました。
今日は日本で初めて世界同時6取引所上場を達成いたしました。裏方で頑張っていただいたスタッフには頭が下がる思いですが、世界の取引所では順調に取引がスタートした中残念ながら日本で唯一取引できる取引所であるBitTradeが本来あってはならないシステム障害を起こし、期待して頂いた方々には大変な…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) December 23, 2024
2.ビットトレードの対応
インシデント発生後のビットトレードの発信内容を時系列でまとめると以下の通り。
2024年12月23日:インシデント発生、謝罪文を投稿
12月23日(月)12:00~13:30頃の間、当社サービスに多くのアクセスが集中したため、一時的に接続が難しい状態となっておりました。
— BitTrade(ビットトレード)公式 (@BitTrade_jp) December 23, 2024
現在は復旧し、正常にご利用いただける状況となっております。
お客様には多大なるご不便、ご迷惑をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます。 https://t.co/pFqdDf5WsQ
2025年1月10日:関係各所と連携し対応を進めている旨を投稿
【ご報告】
— BitTrade(ビットトレード)公式 (@BitTrade_jp) January 10, 2025
2024年12月23日に当社サービスへのログインおよび取引が不可となった件につきまして、改めて皆様にご迷惑をおかけ致しました事を、心よりお詫び申し上げます。
現在、関係各所と連携し対応を進めております。
準備が整い次第、速やかにご報告申し上げますので何卒お願い申し上げます。 pic.twitter.com/FiZSGs1srh
1月14日:再度、関係各所と対応内容の検討を進めている旨を投稿
【ご報告】
— BitTrade(ビットトレード)公式 (@BitTrade_jp) January 14, 2025
2024年12月23日の不具合の件につきまして、皆様から様々なご意見を頂戴しておりますが、現在当社として法的な制約等も考慮し、どのような対応が可能であるか関係各所と検討を進めております。
確認が整い次第、速やかにご報告申し上げますので何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。 pic.twitter.com/N7wwoC658f
1月17日:対応方針の整理が完了、法的レビュー実施中と投稿
【ご報告】
— BitTrade(ビットトレード)公式 (@BitTrade_jp) January 17, 2025
2024年12月23日のシステム不具合に伴うお客様への対応につきまして、対応方針の整理が完了し、法的レビューを実施している状況でございます。
対応にお時間をいただいておりますが、引き続き早急に進めてまいります。
ご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。 pic.twitter.com/AgeKNQmGKr
近藤氏の投稿内容を「事実と異なる」と否定
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ビットトレードは一貫して、投資家への「対応」という表現を用いており、「補償」の有無は明言していません。
同社と継続して協議を行っている近藤氏によれば、同社は当初補償する方針ということでしたが、2月6日には「(ビットトレード側は)誠実に対応する意思がない」と語気を強め批判しています(詳細は後述)。
3.近藤氏がビットトレードへの非難を連投
近藤氏はインシデント発生の翌日から、ビットトレードに対し投資家への補償を求め、同社との協議内容を発信し始めます。ビットトレードの対応を非難する内容も複数見られます。
2025年12月24日:ビットトレードに投資家への補償と再発防止を要求
すでに金融庁には届け出ていると聞いておりますが、謝罪だけで済まされるものではなく、投資家への適切な補償をするようにBitTrade側には強く伝えるとともに、今後二度とこのような事態を引き起こさないような再発防止策を依頼しております。
取引所側の問題とはいえ、上場先として選定した責任に鑑み、ご迷惑をおかけした皆様には取引所側に代わりお詫び申し上げます。
今日は日本で初めて世界同時6取引所上場を達成いたしました。裏方で頑張っていただいたスタッフには頭が下がる思いですが、世界の取引所では順調に取引がスタートした中残念ながら日本で唯一取引できる取引所であるBitTradeが本来あってはならないシステム障害を起こし、期待して頂いた方々には大変な…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) December 23, 2024
12月25日:ビットトレードが誠実に対応していると評価
法的な問題もありどのような内容の補償が可能であるかについてJVCEAに確認している状況ということでした。全体としては誠実に対応していただいている内容
先ほどBitTrade社の関社長含め、ミーティングを行いました。BitTrade社側のお話として、まず今回の障害の原因はすでに特定され、修正され金融庁側にも報告済みとのことでした。同時に利用者さまからのお問い合わせに一つ一つ対応しつつ状況を整理しており、法的な問題もありどのような内容の補償が可能…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) December 25, 2024
12月27日:ビットトレードのが検討中の施策を評価
昨日と同じく前向きに進んでおり、まだ発表できないものの色々な施作を検討されているようです。お聞きしている限りJOC投資家へのサポートしては良い内容でした。発表が遅れているのは年末ということもありJVCEA、金融庁含め皆様お休みになってしまうこともあり、彼らの確認もは必要な為との事でした。発表は年明けになりそうです。
本日もBitTradeさんとお話ししました。昨日と同じく前向きに進んでおり、まだ発表できないものの色々な施作を検討されているようです。お聞きしている限りJOC投資家へのサポートしては良い内容でした。発表が遅れているのは年末ということもありJVCEA、金融庁含め皆様お休みになってしまうこともあり、…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) December 27, 2024
2025年1月6日:補償の方向性は数日中に方向性が出ると明かす
なお、別件ですがBitTrade関社長とも別途お話をしました。補償の方向性などについては法的な確認をしており数日中にはある程度の方向性が出そうだという事でした。こちらも引き続きコミュニケーションを継続していきます。
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) January 6, 2025
1月10日:ビットトレードの対応の遅滞を非難
今日に至るまで、関係各所に確認している、の一点張りです。 確認しているならしているで、それを発表すべきではないですか?と伝えていますが、対応していただけません。Xで状況を伝えるくらいすべきと思いますが。
@BitTrade_jp さんには、今週には何らかの発表をするという約束で、年末年始は当局が動かないから、という理由で、年始になるとのことで合意していました。しかし今日に至るまで、関係各所に確認している、の一点張りです。…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) January 10, 2025
1月12日:「あまりにも遅すぎる、あまりにも不誠実である」などと非難
議論は進んでいるようですが、事態を正しく理解しているようには思えませんでした。あまりにも遅すぎる、そして何の発表もしないのはあまりにも不誠実であると、かなり強くお話ししました。
本件、投資家への補償対応依頼を優先してきましたが、当然我々もかなりの損害を負っていますので、我々からの損害請求もそろそろ検討し始めております。
昨日も関社長と電話で話しました。議論は進んでいるようですが、事態を正しく理解しているようには思えませんでした。あまりにも遅すぎる、そして何の発表もしないのはあまりにも不誠実であると、かなり強くお話ししました。来週には、何らかの発表をされることを期待します。我々もプロジェクトの提携…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) January 12, 2025
1月18日:「対応は支離滅裂で理解不能」などと非難
金曜日まで発表を待ちましたが、残念ながらBitTrade側の対応は支離滅裂で理解不能です。。誠意を持って対応してきたつもりですが、、何もかもがあまりにも遅すぎです。
日本では一社スタートするまでは他がスタートできないルールがあり、IEO審査も遅れまくったおかげで他の上場も日本ではすべでストップされていた状況でした。
金曜日まで発表を待ちましたが、残念ながらBitTrade側の対応は支離滅裂で理解不能です。。誠意を持って対応してきたつもりですが、、何もかもがあまりにも遅すぎです。プロジェクトとしては、こちらには少しレベルをあげて対応を始めました。…
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) January 18, 2025
【追記】1月28日:「実際には誠実に対応する意思がない」と明かし内情を暴露
当初は一定の前向きな対応が見られる場面もありましたが、本日、残念ながら実際には誠実に対応する意思がないことが明らかとなりました。
IEOの受付システムについて事前に詳細を知らされておらず、当日になって初めてその仕組みを把握することとなりました。しかし、実際には認証機能すら備わっていない単なる「お問い合わせフォーム」であり、一口500万円もの申し込みにもかかわらず、誤入力が多発する事態となりました。
この申し込みフォームにはセキュリティ上の脆弱性があり、第三者の資産を誤ってロックしてしまう可能性があることが判明しました。弊社より指摘を行い、修正対応を求めましたが、本来であればこのような重要な問題については公表すべきものです。しかし、BitTrade社は本件についても一切の発表を行わず、不都合な情報を意図的に伏せようとしている状況がうかがえます。
BitTrade社に関するご報告
— KZ | Hidekazu Kondo | Japan Open Chain | Lunascape (@kazkondo) February 4, 2025
これまで、投資家の皆様への適切な補償を行うよう、1月末までの対応を強く求めてまいりました。当初は一定の前向きな対応が見られる場面もありましたが、本日、残念ながら実際には誠実に対応する意思がないことが明らかとなりました。…
4.ビットトレードの補償内容を考察
近藤氏が明かしたビットトレードとの協議内容を踏まえると、同社が投資家に補償を行う方向性であることは確かでしょう。
どのような補償が考えられるか、過去のインシデント事例から考察します。
4-1 過去のインシデントの例
以下は取引所で発生したインシデントの例です。
BitMEX
2020年、香港を拠点とする仮想通貨取引所BitMEXにて、ビットコインの急騰後、サーバーダウンがダウンし一部のユーザーに損失が発生。影響を受けた156アカウントに対し、計40.297BTCを返金。
コインチェック
2018年、コインチェックは約580億円分のネム(XEM)流出事件で被害者に対し、日本円で全額返金を行いました。
バイナンス
2021年、バイナンスでシステム障害が発生し、一部ユーザーが取引サービスを利用できなかった際、影響を受けたユーザーに対して取引手数料の減免や、一定期間のVIPステータス付与などの補償を行いました。
コインベース
2021年、米コインベースにて、トラフィック急増により取引所が一時停止。取引手数料の返還を実施。損失補填は実施せず。
DMMビットコイン
2024年、約480億円分のビットコイン(BTC)が不正流出。グループ各社からの支援もあり流出したBTCの全量調達を完了。補償はBTCにて行うといいます。
ちなみに、DMMビットコインはSBI VCトレードへの顧客資産と口座の移管およびその後の廃業予定を発表しています。
なお、GMOコインも2022年にIEOを経てFCRコイン(FCR)を取り扱い後、システムの不具合で一部ユーザーがFCRを売却できない事態に。補填を発表しましたが、対象となるユーザーに個別でメールにて内容が伝達され、内容は公表されていません。
4-2 考えられる補償内容
上記はビットトレードでのインシデントとは内容が異なりますが、こうした事例などから、例えば以下のような補償が実施されるのではないでしょうか。
JOCを付与
JOCの取引機会を逸した投資家に対し、IEO時の購入量に応じてJOCを付与。IEOに参加しなかった投資家にも補償する場合は、一定枚数のJOCを付与。
2.日本円で補填
JOCの上場直後の平均取引価格などを基準として、投資家が注文を出せていれば得られたであろう利益を算出し、IEO時の購入量に応じて日本円で補填。ただし、JOCの付与と比較すると可能性は低いでしょう。
3.手数料の免除や割引
今後の取引手数料を一定期間免除する、または割引を提供することで、投資家への間接的な補償を行う。
4.次回IEOの優遇措置
今回の上場におけるインシデントとは直接関係ありませんが、1~3にある補償内容とセットでこうした措置が取られる可能性もあるのではないでしょうか。
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