時価総額10兆円のビジネスモデル【12】株主にMUFGやNTTドコモ、Sozo Venturesなど日本勢もーー競合のNYSEも出資
あまり知られていないことですが、コインベースの株主にはAndreessen Horowitz、Union Square Ventures、Draper Associatesなど錚々たる米ベンチャーキャピタルと並んで、NTTドコモ系ベンチャーキャピタルや三菱UFJ銀行、Sozo Venturesなど日本勢が顔を出します。彼らはまだまだ仮想通貨黎明期の15年、16年に出資しました。当時は14年に巨額のビットコインが取引所から消失した「マウントゴックス」事件の記憶が生々しい時期で、ビットコイン価格も数万円台で推移していました。よく社内の決済(投資委員会)を通したな、と当時驚いた記憶があります。結果、満塁ホームランですね。
株主一覧を読み込んでいくと、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の名前もありました。NYSEはICE(インターコンチネンタル取引所)のグループ会社で、18年にICE・CEOのJeffrey Sprecher氏が「ムーンショット型の新規事業」として仮想通貨先物取引所bakktをスタートしています(21年第2四半期にSPACで上場予定)。コインベースの事業進捗を見て、デジタルアセット事業の可能性を読み取ったのでしょう。ただ、コインベースの上場先はNASDAQに取られてしまいました。
ややマニアックなところではThomson Reuters(ロイター通信社)の元CEO、トム・グローサー氏の名前もあります。このように実業界の大物や一流ベンチャーキャピタルが支援しており、コインベースの成功はなるべくしてなった、とも言えそうです。
<株主一覧>上記紹介した株主には黄色の網掛けを入れました
※参考:21年3月15日時点でのクラスA普通株式およびクラスB普通株式の所有権に関する情報
-当社の指名された執行役員
-当社の各取締役
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