私の「痛い」はどれなのか
日本語には痛みを表すオノマトペが色々ある。
パッと思いつくのは、ズキズキ、イガイガ、チクチク、ピリピリ、ズーン、ガンガン、ジンジン。
調べてみると、他にもズキンズキン、ジーン、ウズウズ、ギシギシ、ゴリゴリ、ギリギリ、ギューッ、チーンなんかも見つけた。(チーンがどんな痛みなのか気になる)
なんと痛みのオノマトペには方言もあるようで、日本語の奥深さを感じる。
これは頭痛、これは生理痛、これは足の小指をぶつけたとき、これは辛いものを食べたとき、みたいに経験と結びついているものも多い。
一方で個人的にあまりぴんとこないのは、胃痛でよく使われるシクシク、ムカムカ、キリキリ。
シクシクに関しては思い当たらなさすぎて、おそらく32年間で未経験の痛みと思われる。
過去に胃腸炎で激しい胃痛に襲われ、高熱で悪寒に震えながら点滴を打った経験もあるけれど、あのときの胃痛がどれだったかは今でもわからない。
どんな風に痛みますかと尋ねられたら、「私はこれをキリキリだと感じているけれど、他の人にとってもこの痛みがキリキリかどうかは定かではありません」と答えたいのが本音だ。(めんどくさい患者)
痛みは定量化が難しいとされてきたらしいが、オノマトペは痛みの量や質を可視化することができるそう。実際オノマトペを用いた問診支援に関するサイトも見つけた。
オノマトペで痛みを表現できれば、自分の体を治す近道になるかもしれないということか。キリキリかシクシクかムカムカで悩んでいる場合ではない。体の声をちゃんと感じ取れる人になりたいなあと思う。