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夫として彼と出会えて心からよかった


スピリチュアル系を信じている方ではないけれど、「人生に必要な人には必ず出会うことになっている」というのは経験上信じている。

ただ、どういう関係性で出会うかは別。
人生に「もし」があるとして、もし夫が親だったら?と考えてみた。


季節の変わり目の先日、ちょっと発熱してダウンしていた。年1回、気を付けていても決まってこの時期にやってくる。
私の風邪は100パーセント喉から。

平日にも関わらず、彼は仕事を午前中で切り上げて病院に連れて行ってくれた。帰り道にスポーツドリンクやゼリー、プリンなどいかにも病人らしいものを買い込んで、帰ってきたら「はい病人は寝て寝て」とベッドに誘導される。
意識はあるけれど、目を開けているのがしんどいので目を閉じる。

ぐったりと横たわる私をよそに、彼はてきぱきと寝込む準備をする。

寝室にサイドテーブルを用意して、病人セット(スポーツドリンク・コップ・体温計・薬・ティッシュ)をスタンバイ。
額には熱さましシートをぺたり。
部屋の窓を少し開けて風が通るようにしてくれて火照る顔に心地よい。

その後も1時間おきに様子を見に来ては、タオルを替えたり、熱さましシートを替えたり、食べられそうなものを持ってきてくれたり。
私があれやってこれやってと指示することなく、そのときに必要なことをやってくれる。上げ膳据え膳。至れり尽くせり。

妻が言うのもアレだけどちょっとできすぎた夫じゃないか。
看護師の母がいるとはいえ、看病慣れしすぎてやいませんか。
(逆の立場ならこんな行き届いた看病はできないと思う、ごめん)



夫の看病のおかげで風邪は長引くことなく熱もほぼ下がった。
正常な思考判断ができるようになった今思うのは、
夫(候補)として彼と出会えてよかったなあということ。

もし親として彼と出会っていたら?
もしこの至れり尽くせり生活に慣れてしまっていたら?

「ままー!麦茶ー!」と要求する人間になっていた可能性大。よそのお宅に行って同じことをしてドン引きされるやつ。もしくは食卓にスプーンがなかったときに「これ手で食べるの?」と言ったりするやつ。(漫画で見た)

庇護関係でなく自立したひとりの大人になってから彼と出会えてよかった。やっぱり然るべきときに、然るべき関係性で出会っているなあと思う。

ちやほや甘やかされるのは1年に1回、弱っているときくらいでちょうどいいのである。

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