自分の人生を振り返る⑮
(みおと出会って、僕は失くしていた人としての感覚、感情をすこしづつ取り戻せていた)
仕事は、自分の気持ちに比例してか、以前よりは長く勤められるようになっていた。
齢はもう32くらいになっていた。あるとき、僕は仕事をやめたタイミングで、両親のいる徳島へ行ってみた。
両親は、自分たちが定年退職したタイミングで、大阪の家を離れ、自分たちの故郷である徳島に帰っていた。
両親が徳島に帰って2年ほど経った時に、先ほどの僕が仕事をやめたタイミングで、僕は徳島へ行ってみた。(徳島は、僕の出生地ではなく、両親は大阪で僕を生んだ)
両親は、期待をかけた僕が大学で散々な結果を出し、「お前にはもうなにも期待しない」と言われていた仲だったが、僕が徳島に行ったとき、いやな顔をせず家に迎え入れてくれた。
『親とは、こんなに有難い存在だったんだ』と心底思えた。
親は僕を、「いまは蛍のシーズンでね」と、近所の、ホタルが出るエリアに連れて行ってくれた。ちょうど6月頃か。
最後まで読んでくれて、ありがとう